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[P20-05] 最近10年間の当院における側副血行路に対するコイル塞栓術の合併症の検討
Keywords:コイル塞栓、側副血行路、合併症
【背景】コイルによる側副血行路の塞栓術はFontan術前後やMAPCAに対して広く行われている. しかし, カテーテル操作による出血やコイル脱落等の合併症がある..【目的】当科における側副血行路に対するコイル塞栓術の合併症について検討する.【対象と方法】2006年から2015年までに当科で施行した側副血行路に対するコイル塞栓術52件(38症例, A-P collaterals 50件, V-V collaterals 2件)について診療録より後方視的に検討した. 年齢は2ヵ月~14歳(中央値 2.5歳)で, Fontan術前(Glenn術後)が26件, Fontan術後が16件, TOF+MAPCAが5件, TGA 2件, scimitar症候群2件, 気管支動脈蔓状血管腫1件であった.【結果】52件のうち, コイル脱落の1件を除く51件で目的の血管への治療を完遂できた.平均使用コイル数は19.6本で, 合併症は血管穿孔による出血が5件(4症例), コイル脱落が1件であった. 出血は, 甲状頸動脈, 肋間動脈, 内胸動脈の枝がそれぞれ, 2件, 2件(同一症例), 1件で, いずれも自然止血あるいはコイルで止血を得られた. 甲状頸動脈からの出血のうち1件は, 止血手技中に血栓による脳梗塞を合併した. また, 肋間動脈から出血した2件はマイクロカテーテルのガイドワイヤによる穿孔であった. 内胸動脈からのコイル脱落については, 頚部血管をバルーンで閉鎖しつつ, コイルを右上腕動脈へ移動させることにより, カテーテルで安全に回収することができた. 【考察】側副血行路は本来細い血管が拡張し, 時に大きく蛇行をしている. マイクロカテーテルの使用によって, より末梢の血管に選択的にコイル塞栓を行うことが可能となった. マイクロカテーテルのガイドワイヤを弱い力で進めていても容易に穿孔を起こすことがある. また出血自体はコントロール可能であったが, 頭頚部近傍の血管においては脳血管への血栓, 塞栓症に対し, 細心の注意が必要である.