第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療3

ポスターセッション(P20)
カテーテル治療3

2016年7月7日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
上田 秀明(神奈川県立こども医療センター 循環器科)

P20-01~P20-07

18:00 〜 19:00

[P20-06] 心臓カテーテル検査・治療における効果的なヘパリン投与量と定期的な活性凝固時間測定-第三報-

伊藤 由依, 加藤 健太郎, 佐々木 宏太, 緒方 瑛人, 本倉 浩嗣, 菅 仁美, 宮本 尚幸, 渡辺 健 (田附興風会医学研究所北野病院 小児科)

キーワード:ACT、抗凝固、血栓

【背景】当科では心カテ治療中の脳梗塞合併症例を経験したことから、定期的な活性凝固時間(ACT)測定により厳密な抗凝固効果判定を試みている。【目的】適切な量とタイミングでヘパリンの投与を行い、正確な抗凝固効果を得る。【方法】「初回投与量を50U/kg、追加投与量を25U/kg(以下50法)」(第一報)、「初回投与量を80U/kg、追加投与量を40U/kg(以下80法)」(第三報)、「初回投与量を100U/kg、追加投与量を50U/kg(以下100法)」(第二報)、とし、投与後5、30、60分後のACT値を測定した。目標ACT値は右心カテ160秒、左心カテおよび治療は200秒以上とし、初回投与から60分以内に追加投与を必要としたかを後方視的に検討した。50法は47例、80法は12例、100法は17例が対象となった。【結果】50法でのACT値は投与5分後205±43秒、30分後190±42秒、60分後189±33秒;80法でのACT値は投与5分後196±49秒、30分後196±35秒、60分後197±25秒;100法でのACT値は投与5分後262±15秒、30分後220±24秒、60分後207±26秒であった。早期追加例(60分以内に追加投与を必要とした例)は50法で47例中17例(36%)、80法で12例中7例(58%)、100法で17例中1例(5.9%)であった。早期追加例は低体重症例に多かった。3法共、出血傾向ないし血栓・塞栓の合併症の出現を認めなかった。【考察】上記目標ACT値を達成するには100法が妥当である。【結論】ヘパリンの初回投与量を100U/kgとすることで、60分以内での追加投与の必要はなく、適切なACT値を維持しながらカテーテル検査を施行できることがわかった。今後は初回投与量を100U/kgとした上で定期的なACT測定を継続し体重や年齢によるばらつき等更なる検討を重ねる。