The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

カテーテル治療4

ポスターセッション(P21)
カテーテル治療4

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
田中 敏克(兵庫県立こども病院 循環器内科)

P21-01~P21-06

1:50 PM - 2:40 PM

[P21-01] 動脈管開存症coil塞栓術の成功率向上へ向けた、治療適応の検討。

白神 一博, 中島 弘道, 白石 真大, 名和 智裕, 福岡 将治, 小林 弘信, 永峯 宏樹, 東 浩二, 村上 智明, 青墳 裕之 (千葉県こども病院 循環器科)

Keywords:動脈管開存症、コイル塞栓術、カテーテル治療

【背景】径が2.5mm程度までの細い動脈管開存症(PDA)に対するカテーテル治療では、医療費等の点も考慮し、Amplatzer閉鎖栓術(ADO)だけでなく、coil塞栓術も選択肢となる。【目的】coil留置後の脱落などの合併症を減少させる、より成功率の高いcoil塞栓術の適応を検討する。【対象・方法】診療録より後方視的に検討した。対象は、当院にてPDAに対して2001年4月から2015年12月までにcoil塞栓術を試みた症例のうち、動脈管径が2.5mm以下の全41症例。年齢は1歳5か月~18歳(中央値4歳7か月)、体重は7~70kg(中央値16kg)、性別は男14例、女27例。造影所見では、PDA形態はKrichenko分類によるType Aが40例、Type Dが1例で、最狭部径は0.6~2.5mm、中央値1.6mmだった。2例でcoilを留置するも脱落し回収を要した(後に手術治療1例、ADO予定1例)。3例で脱落等が懸念されcoil留置を断念した(後に手術治療1例、ADO2例)。この脱落した2例およびcoil留置を断念した3例をコイル不成功例(計5例)、他をコイル成功例(36例)とした。各種患者パラメータや検査値と成功・不成功の関連について検討した。【結果】1)カテーテル検査で計測した最狭部径は、不成功例はそれぞれ1.7, 1.7, 2.0, 2.3, 2.5mmで、成功例は平均1.5±0.5mmだった。2)エコー検査での対正常左室拡張末期容積(LVEDV%N)は、不成功例 平均150.5(±34.8)、成功例 平均121.2(±23.0)%N (p=0.03)。3)カテーテル検査でのLVEDV%N は、不成功例 平均174.0±11.0、成功例 平均117.3±22.0%N (p<0.01)と不成功例で有意に大きかった。4)LVEDV%Nが150%N以上の症例では有意に不成功例が多かった(χ二乗検定:p=0.01(エコー検査), <0.01(カテーテル検査))。5)年齢や体重、性別、RVp/LVpでは成功・不成功の結果に有意差はなかった。【結論】PDAcoil塞栓術の適応を決める際に、最狭部径だけでなく、shunt量を直接的に反映するLVEDVも考慮することで、成功率が高くなると考えられる。