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[P21-04] 肺高血圧症を伴う大きな動脈管開存のカテーテル治療
キーワード:カテーテル治療、動脈管開存症、肺高血圧
【背景】肺高血圧症を合併した大きな動脈管(PDA)の治療に際しては、disease target therapy(DTT)の有無、使用する診断器具、治療器具など種々の問題がある。今回DTT後に、心腔内エコー(ICE)ガイドでAmplatzer Sepal Occluderを用いて、合併症無く閉鎖したPDA+PHの患者を経験したので報告する。【症例】症例は61歳、女性。5年前肺炎で地域病院Aに入院し、PDA+PH(mean PAP 55mmHg)の診断で、HOTとシルデナフィルを導入された。1年前、再入院し、PH増悪(m-PAP 88mmHg)しており、他院Bを紹介されたが、Eisenmenger化のため手術適応なしと診断された。治療3か月前、近隣病院再入院し他院Cに転院した。そこでも高度PH(m-PAP 90 vs. m-AoP 95mmHg)を指摘されたが、Qp/Qs 2.4、心エコー図上常に左→右短絡であり、アンブリセンタンを追加導入された。心臓CT上最小径12-14mmであり、カテーテル治療の可能性評価のため当院に転院した。入院時、ルームエアーでは上下肢ともSpO2 84%で、下肢のバチ状指は認めなかった。当科の心カテでは、ルームエアーでPAP 89/40, 平均64 vs. AoP 128/60, 平均91mmHg、Qp/Qs 1.9, Rp 7.7単位と明らかな圧差を認め、酸素吸入により、Rp 0.6と著明な低下を認め、治療適応と判断した。ICE上Krichenko type B PDAで、最小径は11.7mm、常に左→右短絡であることを確認した。Amplatzer Duct Occluderの適応(10mm径まで)外の大きなPDAで、type Bで発作的な右→左シャントによる逸脱を予防するため、waist径17mmのAmplatzer Septal Occluderを選択し、ICEガイドに合併症無く留置した。術後も溶血や血小板減少等無く、5日目の心エコー図ではTR dp=38mmHgと著明なPHの改善を認めた。【結語】PHを伴う大きなPDAの治療に際しては詳細な血行動態評価が欠かせない。カテーテル治療は有効な治療法であり、その際の画像診断・モニターとしてICEが有用である。DTTによるtreat & repair戦略は有効な可能性がある。