The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

カテーテル治療4

ポスターセッション(P21)
カテーテル治療4

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
田中 敏克(兵庫県立こども病院 循環器内科)

P21-01~P21-06

1:50 PM - 2:40 PM

[P21-06] ASO関連頭痛と左心室・血管カップリングの関係

長友 雄作, 宗内 淳, 松岡 良平, 清水 大輔, 白水 優光, 渡邉 まみ江, 城尾 邦隆 (JCHO九州病院 小児科)

Keywords:頭痛、ASO、Ea/Ees

【背景】経皮的心房中隔欠損閉鎖(Amplatzer Septal Occuluder ;ASO)後には7%~20%の頻度で頭痛の合併が認められる。病態としてデバイスに関連した微小血栓による脳血管障害が考えられ、強力な抗血小板作用をもつClopidogrelの有効性は周知であるが、頭痛発症には好発年齢や性差があることなど、微小血栓では説明できない部分も多い。【目的】ASO前後での経時的な左心室・血管カップリングと、頭痛との関連について検討する。【対象・方法】ASO施行術前(術前日)、術後早期(術後1日目)、術後後期(術後6か月目)で、経胸壁心エコー検査の心尖部四腔像からModified Simpson法で算出された左室拡張末期容量(LVEDV)・収縮末期容量(LVESV)と、マンシェット血圧計で測定した上腕血圧値から、Ees=収縮期血圧/LVESV、Ea=平均血圧/(LVEDV-LVESV)を算出し、頭痛あり群と頭痛なし群で比較し、頭痛合併例での特徴について検討した。【結果】ASO施行120例(女82)中、頭痛合併は7例(6%)であった。うち女6例で、年齢は10(7~13)歳であった。術前Qp/Qs=1.8±0.2で、ASDサイズ=10±3.3mm、使用ASOデバイス=13±3.1mmであり、両群間に差異はなかった。血圧は有意な変化や両群間の差異はなかった。頭痛なし群ではLVEDVが経時的に増加したが、頭痛あり群では術後早期のLVEDV増加が得られなかった。また後負荷指標Eaは頭痛あり群:4.2→3.6→3.3(p<0.05)、頭痛なし群:5.0→4.1→3.6(p<0.05)と両群で経時的に低下していた。心収縮指標Eesは頭痛なし群で4.6→4.5→4.0と術後後期に低下していたのに対して、頭痛あり群で4.8→5.3→4.8と有意な低下を示さなかった。【考察】頭痛あり群では術後早期のLVEDV増加や術後後期のEes低下が見られず、心室-動脈カップリングの異常が推察された。