第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈1

ポスターセッション(P22)
電気生理学・不整脈1

2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
芳本 潤(静岡県立こども病院 循環器センター循環器科)

P22-01~P22-06

18:00 〜 19:00

[P22-01] 胎児不整脈を指摘され緊急帝王切開で出生後、Accelerated idioventricular rhythmと診断した新生児例

郷 清貴, 足達 武憲 (公立陶生病院 小児科)

キーワード:促進性心室固有調律、胎児不整脈、新生児

【背景】新生児期のAccelerated idioventricular rhythm (以下AIVR)に関する報告は多くないが、近年胎児期から観察されたAIVRの報告が散見される。今回胎児不整脈を指摘され、出生後AIVRと診断した新生児例を経験したので報告する。【症例】日齢0の男児。在胎37週時の妊婦健診で胎児不整脈と臍帯過捻転を指摘され、在胎37週2日にoxytocin challenge testを施行したところ、児心拍の低下と胎児不整脈の頻発が見られたため、前医にて緊急帝王切開で出生した。出生体重2450g、Apgar score:1分値・5分値ともに8点、出生後wide QRS 波形のshort runが頻発したため、当院NICUに搬送、入院となった。UCG上心内構造は正常で、心機能も保たれていたが、日齢3より哺乳時・啼泣時にLBBB+RAD型で右室流出路起源と思われるwide QRS波形の連発が3~4分持続するようになったため、propranorol内服を開始した。しかし、そのHRは150-160BPMに留まり、前後の洞調律時との心拍数比は1.05で、房室解離を伴う、fusion beatから始まり自然停止する、などの所見からAIVRと判断し、日齢7に内服を中止した。日齢10から連発は減少傾向となり、日齢15にはVPCの単発を含めてほぼ消失した。哺乳と体重増加が良好であることを確認し、日齢17に退院。以降の成長発達は良好で、Holter心電図上もAIVRの再発を認めていない。【考察】新生児におけるAIVRは自然消失率が高く、予後良好とされているが、本症例も同様の経過であった。出生後は心室頻拍との鑑別が重要となるほか、胎児期の診断は妊娠継続の可否に関わるため重要であると考えられた。