The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈1

ポスターセッション(P22)
電気生理学・不整脈1

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
芳本 潤(静岡県立こども病院 循環器センター循環器科)

P22-01~P22-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P22-02] 突然の心室細動で発症し、薬剤抵抗性に心室頻拍を繰り返す、Short-coupled variant of Torsade de Pointesが疑われる2歳女児例

桑原 浩徳1, 岸本 慎太郎3, 鍵山 慶之3, 吉本 裕良3, 寺町 陽三2, 工藤 嘉公2, 家村 素史2, 須田 憲治3, 山下 裕史朗3 (1.聖マリア病院 新生児科, 2.聖マリア病院 小児循環器科, 3.久留米大学病院 小児科)

Keywords:不整脈、心室細動、Tosade de Pointes

【背景】Short-coupled variant of Torsade de Pointes (scTdP)は、基礎心疾患のない健常者で、非常に短い連結期 (245±28msec)の心室性期外収縮を契機とした多形性心室頻拍・心室細動を突然発症する予後不良な不整脈で、診断・管理には苦慮することが多い。【症例】2歳女児。既往歴や家族歴に特記事項なし。昼寝から起床直後に突如意識消失、救急隊接触時VF。前医へ搬送され、DCでstorm。アミオダロン静注+DCで発症1時間後に心拍再開した。脳低温療法等の入院加療をしていたが、再度、短連結性 (240msec)のPVCからTdP、VFを来たし、アミオダロン+DCで蘇生された。原因として心筋炎、心筋症、電解質異常等は否定的であった。12誘導心電図ではQT延長/短縮やBrugada様変化は認められなかったが、前医と当科で相談し、何らかの遺伝性不整脈を疑い、プロプラノロール、フレカイニド、カルベジロールなどを順番に投与した。フレカイニドやカルベジロールはVTの頻度を増加させ、最終的にプロプラノロール5mg/kgで持続性VTは消失した。ADL全介助となってしまっており、心臓移植は適応外、家族と相談しICDやアブレーションは保留することとした。治療と並行し、遺伝子検査を提出し、現在結果待ちである。前医退院後、当科外来管理。一時期、VT消失しPVCも減少していたが、前医退院後4か月時のHolter心電図で入眠中に388連発のVT (自然停止)を認めた。その際も連結期260msecのPVCを契機としたTdPであり、scTdPを疑い、ベラパミル内服を追加した。ベラパミル・プロプラノロールの併用で徐々にVTの頻度、連発数は低下した。【まとめ】若年発症の致死的不整脈で、診断・治療に苦慮している。本児の経過を供覧し診断・治療を考察する。