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[P22-03] カテーテルアブレーションを施行した非持続性心室頻拍を伴う特発性心室性期外収縮頻発例
Keywords:頻発性心室性期外収縮、カテーテルアブレーション、不整脈原性右室心筋症
【背景】心室性期外収縮(PVC)や非持続性心室頻拍(NSVT)は小児でも頻度が高い不整脈であり、基礎疾患のない児にも認められる。PVCは多くの場合は積極的な治療の対象にならないが、成人ではPVCが頻発する場合には心機能低下を惹起する可能性があり、注意が必要と報告されている。【症例】生後6か月時よりPVCの診断で定期経過観察を開始した。その後、精査・経過評価を行いながら、無投薬で経過していた。11歳時のホルターECGで総心拍数の35%のPVC、最高49連発のslow NSVTを認め、運動負荷試験で回復期に20秒持続するslow NSVTを認めたが、自覚症状を認めず、血行動態も維持されていたため、経過観察を継続した。15歳時のホルターECGでは頻度が45%と増加し、最高 35連発のslow NSVTを認め、BNP 19.7pg/mlと軽度上昇あり、易疲労感の自覚症状も認め、アブレーション治療を目的に入院した。電気生理学的検査により三尖弁輪近傍右室側壁にPVC起源を同定し、同部位近傍で繰り返し通電を施行したが、一過性の抑制を認めるのみで、停止は得られなかった。アブレーション後のHolter心電図ではPVC頻度は8%に低下していた。【考察】PVCに対するアブレーション治療の適応は、総心拍数の30%を超えるPVCとされ、成績は良好で心機能の改善が多数報告されている。12誘導心電図ではPVC起源は右室下壁を疑った。今回停止効果が得られず、不整脈原性右室心筋症など器質的疾患の可能性も考慮した更なる精査と、発作起源が心外膜側にある可能性から心外膜アブレーション適応についても検討する必要がある。