The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈3

ポスターセッション(P24)
電気生理学・不整脈3

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
坂﨑 尚徳(兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器内科)

P24-01~P24-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P24-05] 内臓錯位症候群における不整脈の検討

林 立申, 加藤 愛章, 原 英輝, 野崎 良寛, 中村 昭宏, 高橋 実穂, 堀米 仁志 (筑波大学 小児科)

Keywords:内臓錯位、不整脈、右側相同

【背景】内臓錯位症候群は臓器が左右対称に形成され、複雑心奇形、腹部臓器異常、免疫不全などを合併する症候群である。心奇形の他、洞結節や房室結節など刺激伝導系の異常を伴い様々な不整脈を呈する。
【目的】内臓錯位症候群における不整脈の臨床像を検討する。
【対象】2005年1月1日~2015年12月31日に当科に入院した内臓錯位症候群症例。
【方法】症例のカルテ・心電図を後方視的にレビューし、病型(右側相同(RAI)/左側相同(LAI))、心奇形・術式、不整脈の種類・発症年齢・治療・予後について検討した。
【結果】症例は計28名(男14)、最終受診年齢8才(0~21才)、RAI 17/LAI 11例であった。フォンタン型手術の候補症例は20例(71%)であった。異所性心房調律を除く不整脈は全体の75%に認められ、発症年齢(中央値)は2才3か月(RAI: 4才2か月、LAI: 0か月)。不整脈のうち頻度が多かったものは上室頻拍(62%)、房室ブロック(33%)、接合部調律(29%)であった。RAI例の53%に上室頻拍を合併し、高度~完全房室ブロックはLAI例でのみ認められた。不整脈治療は薬物治療4例(β遮断薬 2、Kチャネル遮断薬 2、ジギタリス 1)、非薬物治療 8例(アブレーション 3、植込み型除細動器 2、ペースメーカ植込み 4、体外ペーシング 1)であった。2例が死亡退院した。
【考察】RAIは両側洞結節や2つの房室結節、LAIは洞結節の低~無形成を認め、それぞれ上室頻拍、洞機能不全や房室ブロックを認めやすいとされる。今回の検討では過去の報告と同様の傾向が示され、LAIで高度~完全房室ブロックを認めた3例のうち2例は新生児期にペースメーカ治療を余儀なくされた。一方でRAIでは遠隔期に介入を要する不整脈を発症すること多かった。
【結語】内臓錯位症候群は新生児期から遠隔期にかけて多様な不整脈を合併する。心奇形のみならず、個々が持つ不整脈に合わせた治療戦略を検討することは重要である。