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[P25-05] 多源性心房頻拍のコントロールに難渋したCostello症候群の一例
Keywords:Costello症候群、多源性心房頻拍、上室性頻拍症
【緒言】Costello症候群はHRAS遺伝子変異を原因とし,特異的顔貌,皮膚骨格筋異常,精神運動発達遅滞,腫瘍多発症などを特徴とする先天奇形症候群である。HRAS遺伝子変異陽性Costello症候群の上室性頻拍症の合併頻度は35%といわれ、治療に関して統一見解はない。【症例】在胎37週2日, 3472g(HFD)、経膣分娩で出生した。Ap 3/7点、羊水混濁著明、分娩室で気管挿管を行い、NICUにて7日間挿管管理を行った。入室時より眼間解離・巨舌・厚い口唇・肝腫大・腹満傾向があり、心電図上APC散見、カテコラミン使用時にHR 300/min台まで上昇を認めた。日齢10に当院に搬送となった。心電図上はHR 200/minの上室性頻拍症、3種類以上のP波を認め、多源性心房頻拍(MAT)と診断した。disopyramide静注でsinus rhythmに復したことから、disopyramide内服開始したが、disopyramideの血中濃度は用量20mg/kgまで増量を行うも低値を推移し、MATのコントロールは不良なためrate control目的でβ遮断薬剤、Digoxinを追加した。その後も感染・誤嚥時にMATは出現するが、頻拍誘発型心筋症の合併はなく、心不全の合併も認めていない。染色体検査にてHRAS遺伝子変異を確認した。【考察】Costello症候群でのMATの治療に関する報告は、digitalis, propranolol, verapamil, amiodarone, metoprololなどの有効例の報告もあるが不応例も多く統一された見解はない。自然軽快例もあり、本症例ではrhythm controlからrate controlに切り替え治療を行った。今後、心不全等の関与も含め、経過を見ていく必要がある。