The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈7

ポスターセッション(P28)
電気生理学・不整脈7

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
立野 滋(千葉県循環器病センター 小児科)

P28-01~P28-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P28-01] QT延長にてんかんを合併しプロプラノロールとクロバザムを導入した3歳女児の一例

馬場 恵史1, 須田 昌司1, 星名 哲2, 沼野 藤人2, 羽二生 尚訓2, 鳥越 司2, 額賀 俊介2 (1.新潟県立中央病院 小児科, 2.新潟大学医歯学総合病院 小児科)

Keywords:QT延長、てんかん、失神

はじめに:けいれんや失神の鑑別において致死性不整脈を除外することは重要であり、心電図検査は不可欠である。しかし症状出現時の心電図を得ることは困難で、臨床症状、安静時心電図や負荷心電図などから催不整脈性を判断せざるを得ないことが多い。特に幼児期は、熱性けいれんやてんかんの罹患率が高いことに加え、QT延長症候群(LQTS)などの致死性不整脈に関する知見が少なく、鑑別することが難しい。症例3歳女児 主訴:けいれんと失神 既往歴:熱性けいれん 家族歴:双子の同胞が熱性けいれん。Epi,LQTSや30歳未満の突然死はいない 現病歴:安静時に全身性の強直間代性痙攣を2回、失神を1回認めたため当院受診した。頭部CT、MRIは異常なし。血液検査は貧血、低血糖や電解質異常なし。脳波は異常波の出現なし。12誘導心電図でQTc=490msec(Fridericia)とQT延長を認めた。ホルター心電図ではtorsade de pointesなどは認めなかった。Schwartzのポイントは4点でLQTSの診断基準を満たし、アドレナリン負荷でQTcは延長、LQT1類似の反応を認めた。臨床症状がLQT1を強く示唆するものではなかったものの、LQT1による心関連症状である可能性は否定できず、プロプラノロール(Pro)内服を開始した。しかし内服開始後も一点を凝視する意識消失発作が認められ、発作時の心電図は洞調律であったことが確認された。LQTS診断基準は満たすが、それまでの経過と発作時の心電図所見から繰り返すけいれんの原因はEpiの可能性が高いと考えられクロバザム(CLB)も併用することとした。両者の内服を開始し、CLBが目標量に達してからはけいれんや失神を認めていない。考察 けいれんや失神の鑑別で致死性不整脈を念頭に置くことは重要だが、幼児期の致死性不整脈の除外は困難な場合が多い。発作時の心電図や脳波の確認が重要であり確保に努めるべきであり、児の安全確保のためにある程度のovertreatmentは許容してもよいと考えられる。