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[P28-03] 家族歴を有し新生児期よりβ遮断薬を導入し心室性不整脈なく経過しているQT延長症候群Type2の1例
Keywords:QT延長症候群、β遮断薬、遺伝子変異
【症例】1ヶ月女児【家族歴】母親は22歳時に先天性QT延長症候群(LQTS)と診断され、植込み型除細動器(ICD)、カリウムとβ遮断薬内服で経過観察中。母方の叔父、祖父、曾祖母もLQTSと診断されている。【現病歴】37週6日、選択的帝王切開で前医で出生した。入院後の心電図でQTc(Bazzett)=0.52と延長を認め、家族歴よりLQTSと診断された。房室ブロックや心室性不整脈は認めず、日齢1よりプロプラノロール1mg/kg/day分3の内服を開始した。QT時間に改善を認めず日齢4から2mg/kg/dに増量して退院し、生後1ヶ月で当院紹介受診した。QTc=0.501と延長を認めプロプラノロール3mg/kg/dへ増量した。2ヶ月時の血液検査で肝逸脱酵素上昇を認め、入院の上でプロプラノロールをナドロールへ変更し、アレルギー用ミルクを導入したところ肝逸脱酵素の改善を認めた。現在まで患児は不整脈なく経過している。遺伝子検査を行い、母親と患児ともにKCNH2 exon7 にGly572Serの変異を認めた。【考察】LQT2では,KCNH2遺伝子上の膜貫通pore領域のミスセンス変異の患者は重症と報告されている。患児と母親に認めたGlu572Serの変異はこの膜貫通pore領域に位置している。母が診断されていたことから、患児は生後早期よりβ遮断薬内服を開始することができ不整脈なく経過している。