13:50 〜 14:40
[P30-05] 開胸手術後localized tamponade 3例の検討
キーワード:Localized Tamponade、心タンポナーデ、心臓手術後合併症
【緒言】Localized tamponade(LT)は心臓手術後の重篤な合併症の一つであるがまとまった報告は少ない。当院で過去5年間に経験したLT3症例について検討する。
【症例1】1歳4ヵ月男児。肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損に対するRastelli手術後。帰室時ABP 80mmHg台、CVP 17mmHg。徐々に血圧が低下し1時間後にはABP 60mmHg台、CVP 18mmHgとなった。心タンポナーデを疑い経胸壁エコー(TTE)を行ったが心嚢水は認めなかった。しかしSVC血流が加速していたためSVC圧迫を疑い緊急開胸した。肺動脈付近から出血が残存しており、これによる圧迫と考えられた。止血術後、ABP、CVPとも速やかに改善した。
【症例2】8ヵ月男児。ファロー四徴症、主要体肺側副動脈に対するRastelli手術、unifocalization後。帰室時ABP 80mmHg台、CVP 7mmHg。帰室3時間後、誘因なくSVC圧が13mmHg、更に25mmHgと急激に上昇し顔色不良となった。TTEでは心嚢水はなかったが経食道エコー(TEE)でSVCから右房上部に狭窄所見を認めたため緊急開胸した。同部位は血腫により圧迫されていた。血腫除去後、ABP、CVPとも速やかに改善した。
【症例3】日齢10男児。完全大血管転位に対するJatene手術後。帰室時ABP 60mmHg台、CVP 8mmHg。帰室後徐々にCVPが上昇し、3時間後にはCVP 15mmHg、ABP 40mmHg台前半となった。TEEでは明らかな心嚢水を認めなかったが臨床症状からLTと判断、緊急開胸でSVCおよび右心房周囲に血腫を確認し、これを除去した。血腫除去後、ABP 80mmHg台、CVP 6mmHgと改善した。
【考察】3症例とも致命的なバイタル変動を来しており緊急開胸が必要であった。LTは通常の短軸・四腔断面像だけでは診断困難であり、LTを念頭に置いた撮像が求められる。また周術期はエコーウィンドウも限られており、TEEの使用も考慮すべきである。確定診断に至らなくとも、バイタル変動、特にCVPの変化は重要な所見であり、疑いを持ったら躊躇せずに緊急開胸を行うべきである。
【症例1】1歳4ヵ月男児。肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損に対するRastelli手術後。帰室時ABP 80mmHg台、CVP 17mmHg。徐々に血圧が低下し1時間後にはABP 60mmHg台、CVP 18mmHgとなった。心タンポナーデを疑い経胸壁エコー(TTE)を行ったが心嚢水は認めなかった。しかしSVC血流が加速していたためSVC圧迫を疑い緊急開胸した。肺動脈付近から出血が残存しており、これによる圧迫と考えられた。止血術後、ABP、CVPとも速やかに改善した。
【症例2】8ヵ月男児。ファロー四徴症、主要体肺側副動脈に対するRastelli手術、unifocalization後。帰室時ABP 80mmHg台、CVP 7mmHg。帰室3時間後、誘因なくSVC圧が13mmHg、更に25mmHgと急激に上昇し顔色不良となった。TTEでは心嚢水はなかったが経食道エコー(TEE)でSVCから右房上部に狭窄所見を認めたため緊急開胸した。同部位は血腫により圧迫されていた。血腫除去後、ABP、CVPとも速やかに改善した。
【症例3】日齢10男児。完全大血管転位に対するJatene手術後。帰室時ABP 60mmHg台、CVP 8mmHg。帰室後徐々にCVPが上昇し、3時間後にはCVP 15mmHg、ABP 40mmHg台前半となった。TEEでは明らかな心嚢水を認めなかったが臨床症状からLTと判断、緊急開胸でSVCおよび右心房周囲に血腫を確認し、これを除去した。血腫除去後、ABP 80mmHg台、CVP 6mmHgと改善した。
【考察】3症例とも致命的なバイタル変動を来しており緊急開胸が必要であった。LTは通常の短軸・四腔断面像だけでは診断困難であり、LTを念頭に置いた撮像が求められる。また周術期はエコーウィンドウも限られており、TEEの使用も考慮すべきである。確定診断に至らなくとも、バイタル変動、特にCVPの変化は重要な所見であり、疑いを持ったら躊躇せずに緊急開胸を行うべきである。