18:00 〜 19:00
[P31-04] 乳児先天性心疾患術後の急性期高用量デクスメデトミジンによる鎮静効果と副作用の検討
キーワード:デクスメデトミジン、術後鎮静、乳児
【背景と目的】ICUで鎮静に使用されるデクスメデトミジン (DEX) は、重症患者の鎮静で最大用量0.7μg/kg/hと添付書に記載されている。一方、高用量でのDEX使用で周術期のオピオイド必要量が抑制され、かつ臨床的安全性は保たれるとの報告がある。開心術後の乳児に対する高用量DEX使用は報告が少なく、DEX使用量別の鎮静効果と副作用について検討した。
【方法】2010年6月から2015年4月に当院で開心術を行なった1歳未満の先天性心疾患乳児について、診療録を元に後方視的に検討した。対象を術後24時間以内のDEX最大投与量 (初期負荷投与を除く維持投与量) ごとに、ND群 (通常投与: 0.7μg/kg/h以下) とHD群 (高用量: 0.75μg/kg/h以上) に分けて、術後24時間以内の鎮静度・併用midazolam投与量 (mg/kg/h)・術後のカテコラミン、PDE3阻害薬使用量(γ)について比較を行なった。鎮静度にはState Behavioral Scale (SBS) を用いた。群間の各項目ごとの比較はMann-Whitney U testで比較検討した。
【結果】対象は83名、うち男児51名 (61%) 、女児32名 (39%) であった。手術時の平均月齢は4.2±3.4か月、平均体重は5.0±2.0kgであった。ND群35名 (DEX: 0.6±0.1μg/kg/h) vs. HD群48名 (DEX: 1.8±0.6μg/kg/h) についての各項目比較結果は、SBS:-1.9 vs. -1.8 (p=0.50)、併用midazolam投与量:0.45 vs. 0.64 (p=0.23)、Dopamine: 4.7 vs. 4.6 (p=0.51)、Dobutamine: 4.0 vs. 4.4 (p=0.51)、Milrinone: 0.7 vs. 0.7 (p=0.52) であった。
【考察と結語】 DEX通常投与群と高用量群で鎮静度、カテコラミン・PDE3阻害薬使用量、併用鎮静薬の量に差はなかった。また月齢ごとで比較したDEX投与に伴う低血圧や徐脈など副作用の頻度に差はなかった。DEXは長期使用例で容量依存性、蓄積総投与量が増えることで副作用、離脱症状の頻度が多くなると報告されていることから、術後早期の鎮静にDEX高用量投与の必要性はないと考えられた。
【方法】2010年6月から2015年4月に当院で開心術を行なった1歳未満の先天性心疾患乳児について、診療録を元に後方視的に検討した。対象を術後24時間以内のDEX最大投与量 (初期負荷投与を除く維持投与量) ごとに、ND群 (通常投与: 0.7μg/kg/h以下) とHD群 (高用量: 0.75μg/kg/h以上) に分けて、術後24時間以内の鎮静度・併用midazolam投与量 (mg/kg/h)・術後のカテコラミン、PDE3阻害薬使用量(γ)について比較を行なった。鎮静度にはState Behavioral Scale (SBS) を用いた。群間の各項目ごとの比較はMann-Whitney U testで比較検討した。
【結果】対象は83名、うち男児51名 (61%) 、女児32名 (39%) であった。手術時の平均月齢は4.2±3.4か月、平均体重は5.0±2.0kgであった。ND群35名 (DEX: 0.6±0.1μg/kg/h) vs. HD群48名 (DEX: 1.8±0.6μg/kg/h) についての各項目比較結果は、SBS:-1.9 vs. -1.8 (p=0.50)、併用midazolam投与量:0.45 vs. 0.64 (p=0.23)、Dopamine: 4.7 vs. 4.6 (p=0.51)、Dobutamine: 4.0 vs. 4.4 (p=0.51)、Milrinone: 0.7 vs. 0.7 (p=0.52) であった。
【考察と結語】 DEX通常投与群と高用量群で鎮静度、カテコラミン・PDE3阻害薬使用量、併用鎮静薬の量に差はなかった。また月齢ごとで比較したDEX投与に伴う低血圧や徐脈など副作用の頻度に差はなかった。DEXは長期使用例で容量依存性、蓄積総投与量が増えることで副作用、離脱症状の頻度が多くなると報告されていることから、術後早期の鎮静にDEX高用量投与の必要性はないと考えられた。