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[P32-04] 当院における頻脈性不整脈への対応
キーワード:不整脈、集中治療、周術期
【背景】頻脈性不整脈は循環動態に大きな影響を与え管理に難渋することが多い。しかしながら絶対的な治療法は確立されておらず、施設ごとに鎮静薬や抗不整脈を使いつつペーシング、電解質調整、体温管理などの複合的な治療を行っているのが現状である。【目的】当院における頻脈性不整脈の臨床像およびその対応方法を検討する。【方法】2013年1月~2015年12月までに当院循環器集中治療室に入室した965症例のうち、不整脈を来した症例につき診療録およびICUチャートを検討した。【結果】不整脈を来した症例は89例(総入室例の9%)、このうち治療介入を要した頻脈性不整脈は22例(総入室例の2%)を検討対象とした。年齢は中央値3.5か月(日齢0~4歳6か月)、体重は中央値3.5kg(2.4~13.9kg)であった。基礎疾患としては無脾症候群が8例(36%)で最も多く、次いで多脾症候群、左心低形成、PAVSD、Ebstein奇形が2例ずつ(9%)を占めた。接合部異所性頻拍(JET)が6例(27%)で最も多く、次いで心房頻拍(AT)の5例であった(22%)。全ての症例で適宜電解質補正は行っていた。胃洗浄などで積極的に体温管理を行ったのは11例(50%)。抗不整脈薬としてアミオダロン(AMD)を使用した症例は12例(54%)、5~10γで開始しており、半数以上の例で開始時と同量で維持していた。デクスメデトミジン(DEX)を使用した症例が14例(64%)であり、開始速度は0.6~1μg/kg/hであり、維持速度も基本的に同量を使用していた。3例では電解質、体温管理等を並行して行う中ではあるが、DEX開始後にコントロール良好となった。【結論】当院では頻脈性不整脈に対して様々な手法を組み合わせて対応していた。DEXの頻脈性不整脈に対する有効性が報告されつつある中で、当院でも有効と思われた症例が散見された。電解質補正、体温管理などの手法と合わせる中で積極的に使用すれば有効な治療法となる可能性もあり、今後の検討が必要と思われる。