The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ポスターセッション

心筋心膜疾患1

ポスターセッション(P33)
心筋心膜疾患1

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
吉林 宗夫(宇治徳州会病院 小児科)

P33-01~P33-06

1:50 PM - 2:40 PM

[P33-02] 小児期に発症したカーニー複合を伴った心臓粘液腫の一例

近藤 恭平, 原田 雅子 (宮崎大学医学部 生殖発達医学講座小児科学分野)

Keywords:心臓粘液腫、カーニー複合、PRKAR1A

【背景】カーニー複合は常染色体優性遺伝疾患で心臓粘液腫、皮膚色素沈着、内分泌腫瘍/内分泌機能亢進症を特徴とする希少疾患である。本邦の全国調査では26例が確認されているに過ぎない。今回思春期に心臓粘液腫と診断、手術を行ったカーニー複合の一例を経験したので報告する。【症例】14歳男性。心雑音を契機に心エコー図検査で僧房弁前尖に70mm×50mmの辺縁不整な可動性のある腫瘤を認め、重症僧房弁閉鎖不全症および重症僧房弁狭窄症を伴っていた。身体所見では口唇および口腔粘膜に色素沈着を認めた。病歴では労作時前失神および運動能低下を認めた。腫瘍塞栓リスクも高く、早急に手術が行われた。心臓腫瘍摘出術ならびに僧房弁弁輪縫縮術を行った。術中所見では腫瘍は僧房弁前尖のみに付着し、巨大であったため分割して摘出した。外観はゼラチン状で大きさは74×45×27mmで重量は44.7g、もう一方は55mm×40mm×8mmで10.7gであった。術後合併症なく経過し、組織診断で良性心臓粘液腫と診断された。上記よりカーニー複合と臨床診断を行い、全身検索を行った。精巣の石灰化および潜在性原発性副腎皮質機能亢進症が判明した。術後10か月経過した時点で腫瘍の再発を認めていない。現在、原因遺伝子であるPRKAR1A遺伝子検査を解析中である。【考察】カーニー複合を伴った心臓腫瘍の特徴として若年発症、多発性、高い再発性と報告されている。小児期に心臓粘液腫と遭遇した場合は常にカーニー複合の存在を念頭に診療に当たる必要性があると思われた。