第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

心筋心膜疾患1

ポスターセッション(P33)
心筋心膜疾患1

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
吉林 宗夫(宇治徳州会病院 小児科)

P33-01~P33-06

13:50 〜 14:40

[P33-05] エメリードレフィス型筋ジストロフィー患者の致死的心室性不整脈リスクと遅延造影磁気共鳴画像の関係

山澤 弘州, 武田 充人, 泉 岳, 佐々木 理, 阿部 二郎, 谷口 宏太 (北海道大学病院 小児科)

キーワード:エメリードレフィス型筋ジストロフィー、核磁気共鳴画像、遅延造影

【背景】
エメリードレフィス型筋ジストロフィー(EDMD)の重要合併症の一つに致死的心室性不整脈(MVA)がある。男性、心機能低下、心室頻拍、ミスセンス変異以外の遺伝子変異の内2つ以上認める場合高リスクであり、植え込み型除細動(ICD)の利益が高いとされる。
【方法】
遺伝子診断を行ったEDMDの女性に対し心電図と遅延造影(LGE)を含めた磁気共鳴画像(MRI)の時間変化を見た。遅延造影範囲の評価は心筋重量に対する%で行った。
【結果】
4年の経過で心電図上PQ間隔が0.16から0.24秒に延長した。MRIでは左室壁の菲薄化も、駆出率の低下も認めなかった。しかしLGEは心室中隔ではないが経過中陰性から5%陽性に変化した。
【結論】
本例は上記4リスク中遺伝子変異しか認めない。しかし近年0.24秒以上のPQ間隔延長がこれら4リスク因子より独立したリスク因子との報告がある。今回のLGE陽性化はPQ間隔延長がリスク因子とされる背景に心室中隔に限らず実際心室筋障害が進行している可能性を示唆するものと考えられる。本例では更なるLGE、PQ間隔の増悪があればICD使用を検討する予定である。