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[P35-01] CRT導入の有無で異なる臨床経過をたどった特発性拡張型心筋症の2例
Keywords:特発性拡張型心筋症、CRT、小児
【背景】小児領域においても拡張型心筋症による左心不全に対しCRTが有効であるとする報告が散見される。【症例1】4歳の男児。1か月健診で心不全症状を認め特発性拡張型心筋症と診断した。PDE3阻害剤投与下でβ遮断薬、ACE阻害剤を漸増したが心不全のコントロールは不良で、PDE3阻害剤からの離脱が困難であった。心電図上wide QRSのCLBBBパターンを呈し、左室内同期不全を認め生後11か月時に長野県立こども病院でCRTを施行した。CRT後はPDE3阻害剤から離脱でき外来フォローが可能になった。3歳時にPM generator交換の際にCRT-Pへup gradeし心不全症状なく経過している。【症例2】3歳の女児。生後3か月時に心不全症状を呈し特発性拡張型心筋症と診断した。カテコラミン、PDE3阻害剤投与、人工呼吸管理を含めた集中治療で急性期を脱し、慢性心不全に対してβ遮断薬、ACE阻害剤を導入しカテコラミン、PDE3阻害剤から離脱できた。心電図上wide QRSのCLBBBパターンを呈し、左室内同期不全を認めたためCRTの適応を検討したが両親が希望せず、生後11か月時に退院した。2歳10か月時に慢性心不全の急性増悪で再入院し、カテコラミン依存状態のため心移植を検討したが両親が希望せず、カテコラミン、PDE3阻害剤の投与を継続しながら入院管理中である。【結語】乳児期のCRT導入の有無により異なる臨床経過をたどっている特発性拡張型心筋症の2例を経験した。心室内同期不全を示しCRTの適応があると判断された拡張型心筋症の例では、時期を逃さずにCRTを導入することで予後の改善につながり得ると考えられた。