1:50 PM - 2:40 PM
[P36-04] 急性、劇症型心筋炎の臨床像と診断
Keywords:心筋炎、心電図、診断
【背景】心筋炎は無症状に経過する自然治癒例から突然死の症例まで多様である。補助循環を導入し急性期を乗り越えれば予後良好な症例があり、早期診断と重症例の早期治療が必要である。【目的】心筋炎の臨床像を検討し、早期診断に有用な症状と臨床所見を明らかにする。
【方法】1990年1月~2015年10月の間に、心筋炎の診断で当院に入院した15歳以下の15例(男8、女7)を診療録より後方視的に検討した。
【結果】病型は劇症3例、急性12例で、診断時年齢の中央値は7.3歳(2ヶ月~15歳)、観察期間は4.5年(6ヶ月~25年)だった。診断時症状は、活気不良11例(73%)、食思不振/哺乳不良11例(73%)、消化器症状9例(60%)、努力呼吸/呼吸困難感9例(60%)だった。診断時の発熱は2例のみだった。診断時の身体所見は頻脈11例(73%)、顔色不良10例(67%)、末梢冷感9例(60%)、脈の不整7例(47%)、意識障害6例(46%)だった。血液検査では、心機能低下例は全てトロポニンとCK-MBが共に陽性だった。またBNPを測定した8例では、100pg/ml以上の5/6例が左室駆出率40%未満だった。胸部X線で心胸郭比0.5以上の症例は11/14例だったが、心電図変化は全例で認めた。治療には10例でカテコラミンを使用し、うち5例で体外式デバイスを要した。補助循環を2例(3ヶ月、12歳)で導入し共に生存退院した。予後は2例が死亡、生存13例中1例が拡張型心筋症となった。
【結論】トロポニンとCK-MBが共に高値、またはBNPが高値の症例は心機能が低下している可能性が高く、迅速な対応が必要と考えられた。早期診断のためには、発熱がなくとも活気がなく、頻脈、顔色不良、末梢冷感を認めた場合は心筋炎を疑う必要がある。X線で心拡大のない症例はあるが心電図は感度が高く診断に有用である。
【方法】1990年1月~2015年10月の間に、心筋炎の診断で当院に入院した15歳以下の15例(男8、女7)を診療録より後方視的に検討した。
【結果】病型は劇症3例、急性12例で、診断時年齢の中央値は7.3歳(2ヶ月~15歳)、観察期間は4.5年(6ヶ月~25年)だった。診断時症状は、活気不良11例(73%)、食思不振/哺乳不良11例(73%)、消化器症状9例(60%)、努力呼吸/呼吸困難感9例(60%)だった。診断時の発熱は2例のみだった。診断時の身体所見は頻脈11例(73%)、顔色不良10例(67%)、末梢冷感9例(60%)、脈の不整7例(47%)、意識障害6例(46%)だった。血液検査では、心機能低下例は全てトロポニンとCK-MBが共に陽性だった。またBNPを測定した8例では、100pg/ml以上の5/6例が左室駆出率40%未満だった。胸部X線で心胸郭比0.5以上の症例は11/14例だったが、心電図変化は全例で認めた。治療には10例でカテコラミンを使用し、うち5例で体外式デバイスを要した。補助循環を2例(3ヶ月、12歳)で導入し共に生存退院した。予後は2例が死亡、生存13例中1例が拡張型心筋症となった。
【結論】トロポニンとCK-MBが共に高値、またはBNPが高値の症例は心機能が低下している可能性が高く、迅速な対応が必要と考えられた。早期診断のためには、発熱がなくとも活気がなく、頻脈、顔色不良、末梢冷感を認めた場合は心筋炎を疑う必要がある。X線で心拡大のない症例はあるが心電図は感度が高く診断に有用である。