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[P38-02] 拡張障害を主病態とした小児心筋症に対するドブタミン負荷の影響
Keywords:拡張不全、心筋症、ドブタミン
背景慢性心不全ガイドライン(日本循環器学会)には心拍出量低下を伴う拡張障害型心不全の急性増悪時の治療としてカテコラミン(CA)投与が挙げられている。CAは収縮能だけでなく拡張能も改善すると考えられているが心筋症の病態への影響は不明な点も多い。目的拡張障害が主病態である小児心筋症におけるCA負荷の血行動態への影響を検討する。対象・方法当院で経過観察中の心筋症6例(RCM3例、HCM3例)に対して心臓カテーテル検査の際にドブタミン(DOB)またはイソプロテレノール(Iso)負荷前後の血行動態評価を行った。結果症例の背景(中央値)は、年齢13歳10ヵ月、身長-1.2SD、体重-0.6SD、BNP 319.5pg/mlであり、治療薬はβ遮断薬4例、ACE阻害薬3例であった。DOB(7.5γ)負荷前後で平均血圧は有意に上昇するが(73.5±5.6 v.s 103.5±8.8mmHg) 心拍出量の有意な上昇は見られず(3.26±0.54 v.s 3.63±0.85L/min/m2、p=0.85)、左室拡張末期圧の有意な上昇を認めた(18.7±6.1 v.s 25.3±5.3 mmHg、p<0.05)。RCM 3症例に対しIso(40/1000γ)負荷を行ったところ心拍数増加(73/分 v.s 139/分)に伴い、左室拡張末期圧の低下(18.7±5.0 v.s 11.0±5.2mmHg)および心拍出量の上昇(3.57±0.61 v.s 5.92±1.18 L/min/m2)傾向が認められた。考察・まとめ心筋症は感染などを契機に急性増悪する危険性が高く、いかに有効な心拍出量を確保できるかが大きく予後に影響する。拡張障害を主病態とする心筋症では、DOBにより必ずしも有効な心拍出量を確保できない可能性がある。今後、心筋症の病態に応じたCAの使い分けに関する方針を確立していく必要がある。