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[P39-02] 当院におけるnasal high flow systemの使用経験
キーワード:nasal high flow system、先天性心疾患、高肺血流性心不全
【背景】当院で2016年7月から導入したnasal high flow system(NHFS)は、鼻カニューレを用いて最大60L/分の高流量を流すことが可能なシステムであり、鼻咽頭腔の解剖学的死腔を洗い流すことや呼気終末気道陽圧を生じさせることにより呼吸筋疲労の軽減、努力呼吸の減少などの効果が期待される。NHFSは急性呼吸不全や成人心臓血管外科領域においては有用性が報告されているが、小児先天性心疾患領域での報告はまだ少ない。【方法】2015年7月から12月まで当科に入院した先天性心疾患児のうちNHFSを使用した22例(日齢3~2502、中央値38)について、その使用状況を後方視的に検討した。【結果】装着理由は、高肺血流性心不全が17例、左心不全1例、気管狭窄合併例1例、周期性呼吸1例、抜管後の呼吸補助が2例であった。抜管後にNHFSを使用した2例はいずれも再挿管を回避できた。NHFS使用中に心不全が増悪しnasal CPAPへ変更を要した例は5例であった。nasal CPAP使用中に鼻部の褥瘡が悪化しNHFSに変更した例が3例あった。【考察】従来はnasal CPAPを使用していた症例の多くはNHFSで管理可能であった。NHFSはnasal CPAPに比べて経口摂取が容易である点や褥瘡のリスクが低いことなどが利点である。【結語】先天性心疾患児の呼吸管理においてNHFSは有用である。