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[P39-03] 先天性心疾患患者における鉄代謝と心不全の関連について
キーワード:鉄代謝、心不全、先天性心疾患
【背景】鉄代謝と慢性心不全の関連について、成人では鉄剤やエリスロポエチン投与でNYHA分類クラスや運動耐応能改善効果の報告が相次いで報告された。一方で心不全のある先天性心疾患の乳児期早期では多くの場合、貧血であることが多い。しかし先天性心疾患小児患者における鉄代謝と心不全に関連する報告は少ない。【目的】先天性心疾患の小児心不全患者における鉄代謝と心不全の関連について明らかにする。【方法】先天性心疾患(心室中隔欠損症:VSD 10人、心房中隔欠損症 ASD 2人、動脈管開存症 PDA 2人)の乳児早期患者においてカテーテル検査・治療時の採血(血算、CRP、血清鉄、BNP、NT pro BNP、UIBC、フェリチン、網状赤血球)、心エコー、心臓カテーテル実施した。そこで心不全の指標である、NT pro-BNPやQp/Qsと関連ある鉄代謝項目を見つけ出した。【結果】対象患者数は14例。(男8、女6)、年齢5.6±3.4ヶ月、平均体重は6.7±1.5kg、経口摂取状況(母乳のみ2人、ミルクのみ6人、混合・離乳食2人)、Hb11.9±1.4g/dl、Ht 35.7±3.7、血清鉄64.9±30.0、フェリチン74.2±76.8、TIBC 326±45、TSAT(トランスフェリン飽和度)19.1±9.9、NT pro-BNP 513±545、BNP 28.4±23.4、カテのQp/Qs 2.4±1.1、平均肺動脈圧(mPAP)20.7±6.4 mmHg、LVDd 120±29% of N。LVEDP 9.1±1.2であった。NT pro-BNPはQp/Qs、mPAP、LVEDV%(cath)においてそれぞれに有意な相関(r=0.54、r=0.58、r=0.64)が認められた。HbやHt、鉄関連項目のうちHb、Ht、血清鉄、フェリチン、網状赤血球はNT pro-BNPやQp/Qs、mPAPとは有意な相関を認めなかったが、TSATは唯一Qp/Qsと有意な相関を認めた。(r=0.56、p<0.05)【結論】鉄関連項目であるTSATはカテーテルで得られたQp/Qsと有意な相関がみられた。