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[P41-02] 当院におけるfenestrated Fontan術後の長期予後の検討
キーワード:フォンタン手術、fenestrated fontan、長期予後
【背景】fenestrated Fontan(以下fF)はFontan candidate境界群に対する術式であるが、適応について明確な定説はない。【目的】当院でのfF術後症例の長期予後につき検討し適応につき考察する。【対象】1994年以降当院施行のfF11例より早期にtakedownを要した2例を除外した9例。fF適応は術前肺動脈圧、肺血管抵抗などより小児科、心臓外科により選択された。手術時年齢1歳5か月から6歳(中央値2歳8か月)、体重7.8から20(中央値10.3)kg。体心室は右室6、左室3。内臓錯位1例、左心低形成3例を含む。全例extracardiac TCPCで、人工血管側孔房と心房の側々吻合によりfenestrationを作成した。術前肺動脈圧7から15mmHg(中央値12)、肺血管抵抗0.66から2.57(1.53)。【結果】フォロー期間は5から18年。3例ではfenestration自然閉鎖を認めたが、循環の破綻なく、閉鎖後の肺動脈圧は10mmHg以下であった。3例では低酸素から在宅酸素導入。また1例では術後9年で導管狭窄を認めた。HOT導入症例うち2例および導管狭窄1例は、開心術下にfenestration閉鎖を施行。術直後肺動脈圧12~15mmHgで循環成立し、酸素飽和度は上昇、自覚的運動能力は改善している。【考察】当院でのfF術後予後は満足すべきものであった。fFは周術期の耐術に寄与している可能性は否定しえない一方で遠隔期に閉鎖を必要とする症例が存在することから、適応に際しては慎重な判断が必要である。なお造設時に将来的な閉鎖を念頭におき術式を選択する必要があると考える。【結語】fF術後遠隔期、fenestrationなしで循環成立するにもかかわらず、低酸素血症より閉鎖を要する症例が存在し、適応・術式は慎重に検討されるべきである。