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[P45-06] 心室中隔欠損症術後患者における右室機能の検討
キーワード:心室中隔欠損症術後、右室、壁運動障害
【緒言】右室機能評価の定量的な指標として、三尖弁収縮期移動距離(TAPSE)、右室長軸断面積変化率(RVFAC)、組織ドプラ法による右室自由壁弁輪部における拡張早期速度(e')と収縮期速度(s波)、speckle tracking法による右室長軸方向のstrain (global longitudinal strain:GLS)などが用いられているが、心室中隔欠損症(VSD)術後患者における右室機能についての報告は少ない。【目的】VSD術後患者における右室機能について検討する。【対象・方法】対象は、術後1年以上経過したVSD術後患者(V群):46例(男25例,女21例,年齢中央値:7.2±6.1歳)と器質的心疾患のない対照(N群):59例(男:36例,女:23例,年齢中央値:7.6±4.5歳)。エコー装置はGE社製S6で、心尖部四腔断面像よりTAPSE、RVFAC、右室自由壁側のe'とs波を測定し、GLSはGE社製EchoPac PCを用いてオフラインで解析した。これら指標について両群間で比較検討した。【結果】両群間で、年齢、身長、体重、心拍数に有意差はなかった。左室拡張末期径(% of normal)、左室駆出率(LVEF)、僧房弁口血流速度のE/Aに有意差はなかったが、中隔側の僧房弁輪部におけるe'とs波はV群がN群と比較して有意に低値であった(e':11.9±2.2cm/s vs 13.6±2.1cm/s, s波:7.2±1.5cm/s vs 8.0±1.2cm/s, p<0.01)。TAPSE、RVFAC、右室自由壁側のe’とs波、GLSは、V群はN群と比較して有意に低値であった(TAPSE:14.8±3.4mm vs 21.0±2.6mm, RVFAC:42±9% vs 47±4%, e':9.7±2.5cm/s vs 13.5±1.9cm/s, s波:9.1±1.7cm/s vs 12.9±1.5cm/s, GLS:-20.8±3.5% vs -26.8±2.9%, p<0.001 )。【結語】VSD術後患者では、左室中隔壁のみならず右室の壁運動障害も合併している。