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[P47-06] 新版K式発達検査2001を用いた先天性心疾患心疾患罹患児の精神運動発達の検討
Keywords:新版K式発達検査、精神運動発達、チアノーゼ性心疾患
【背景】先天性心疾患罹患児の精神運動発達については、不明な点が多い。【目的】先天性心疾患罹患児の中期的な発達評価を行い、精神運動発達に寄与する要因を検討する。【方法】2014年1月から2015年12月の間に、当院で管理を行った先天性心疾患患児において、染色体異常、奇形症候群を除外し、1歳6か月時に新版K式発達検査2001を施行し得た症例を後方視的に検討した。先天性心疾患の種別、手術の内容、チアノーゼの有無等の臨床症状を診療録から抽出し、発達に寄与する要因を統計学的に検討した。【結果】症例は23例(男13、女10)、チアノーゼ性心疾患9例(TOF 1, TGA 2, TAPVR 1, SV 3, TA 1, HLHS 1), 非チアノーゼ性心疾患14例(VSD 10, DORV 1, PDA 1, Ebstein 1, VSD+CoA 1)。1歳6か月時にチアノーゼ残存症例は6例であった。新版K式発達検査は、全領域発達指数(DQ):中央値 89 (最小値-最大値 69-105)、領域別DQ:言語・社会 89 (58-108)、姿勢・運動 75 (50-126)、認知・適応 94 (69-117)であった。領域別DQ 姿勢・運動の値に関して、チアノーゼ性心疾患群が、非チアノーゼ性心疾患群と比較して有意に低かった。(p=0.31) また、1歳6か月時点でのチアノーゼ残存群が、非チアノーゼ群と比較して有意に低かった。(p=0.0034) 一方で、全領域DQに関しては、チアノーゼの有無に関して有意な差を認めなかった。【結論】チアノーゼ性心疾患罹患児は、姿勢・運動面でのDQが有意に低下していた。チアノーゼ性心疾患罹患児に対して、乳児期から積極的なリハビリテーションの必要性が示唆された。