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[P51-03] 成人心房中隔欠損症に対するカテーテル治療後の右室サイズ、機能の変化について
Keywords:心房中隔欠損症、カテーテル治療、右室remodeling
【背景】心房中隔欠損症(ASD)では欠損孔を閉鎖することにより右室サイズは減少するが、成人例では右室拡大が残存する例がる。【目的】ASDのカテーテル治療(ASO)後の右室remodelingの経過を明らかにすること。【対象】16歳以上でASOを施行し、ASO後1年以上追跡しエコー所見が得られた54人(男性12人,女性42人)。中等度以上の三尖弁逆流や肺高血圧および不整脈合併例は除外した。【方法】ASO前とASO後1か月後と1年後のエコー所見を後方視的に検討した。検討項目はASO時の欠損孔径、ASO時年齢、ASO前の右室径、ASO前のQ/Qs、ASO後の右室サ径、三尖弁輪移動速度(S')cm/sについて比較検討した。右室径と欠損孔径は体表面積で補正した。ASO前後の右室径、ASO1年後において右室径が正常化した群(N群)と右室拡大が残存した群(D群)に分け、ASO前の欠損孔径、年齢、右室径について検討した。また、ASO後1年でのS’について、9.5cm/s以上(G群)と9.5cm/s未満(R群)に分け検討した。結果】ASO時年齢中央値36歳(16~70歳)。右室径は全例ともASO前に比し閉鎖1か月、1年で有意に縮小した(ASO前vs後1か月vs後1年:2.9vs2.4vs2.3 cm/m2,p<0.001)。しかし、32人(59%)で拡大が残存していた(D群)。N群とD群での比較検討ではASO時年齢、Qp/Qs、欠損孔径で有意差を認めなかった。ASO前の右室径はN群2.6 vs D群3.1cm/m2、p<0.001 とN群が有意に小さかった。S’はASO後1年でも10人(19%)が低値であった(R群)。ASO後1か月と1年ではS’は有意差を認めなかった。G群vs R群での比較でもASO前の年齢、欠損孔径、右室径は有意差は認めなかった。【考察・結語】成人ASDではASO後に右室径が正常化し右室機能が維持されてことが遠隔期の心機能低下や不整脈出現のリスクを減少させるために重要である。今回の検討ではASO前に右室の大きいものが有意に右室拡大が残存した。