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[P52-04] 循環器小児科医が安全に成人高齢者のカテーテル治療を行うために:総合病院におけるストラテジー
Keywords:成人先天性心疾患、合併症、高齢者
【はじめに】成人特に高齢者では心臓・心臓外の合併症が多く、小児科循環器医が成人例のカテーテル治療に携わる場合、慣れない合併症に苦慮することが想定される。【目的】カテーテル治療の対象となる成人・高齢者に認められる問題点を洗い出し、小児科医が安全に心臓カテーテル治療を行うための対策を立てること。【対象・方法】2006.4から2016.1までに当院で心カテ治療を試みた50歳以上の52例について、診療録をもとに診断・治療/年齢、心臓・心臓外合併症(治療前後)と、採用された対策について後方視的に調査検討した。【結果】男/女=18/34で、ASD 40、PDA 11、AVF 1例。ASD例は全例、PDA例は8/11例で全身麻酔下にカテ治療が施行された。局所麻酔で行ったPDAの2例では術中血圧の変動に悩まされた。診断時年齢0-89歳(med.64.5)、治療時50-89歳(med.66.2)。1)心臓合併症(重複含):高血圧24、不整脈28(VPC6、pAf9、Af10、その他3)、2)心臓外合併症:癌・腫瘍5、糖尿病4、脳梗塞4、整形外科疾患4、前立腺炎3、静脈瘤・深部静脈血栓3、慢性腎不全3(血液透析1)、鬱病1、自己免疫性肝炎1。自己免疫性肝炎の1例はカテ治療時のスクリーニング検査で肝機能障害より発見され、改善後にASD閉鎖術を施行した。3)術後の合併症(≦1年):転倒骨折2、心筋梗塞1、SIADH1、心不全1、腎不全1、白血病1、滑脱ヘルニア1、死亡(心臓外)2。全例成人病棟に入院。合併症も含めた術前・術中の管理は麻酔科修中心に行われ、糖尿病、透析例については該当科、70歳以上または不整脈合併患者は循環器内科に診察が依頼されていた。【考察】小児科での成人・高齢者入院加療には小児とは異なった術前検査項目の検討や、成人に慣れた病院・病棟機能の活用が重要。ICE導入後には麻酔科の術中管理がはずれるため、該当科とのさらに密な連携が必要と考えられた。また、外来フォローアップ時にも他科との併診、新たな合併症のチェックが重要である。