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[P53-03] 感染性心内膜炎を合併した成人期未修復先天性心疾患の手術成績
キーワード:感染性心内膜炎、成人先天性心疾患、外科治療
【目的】心房中隔欠損症など一部を除く未修復先天性心疾患では、感染性心内膜炎のリスクが一般より高い。感染性心内膜炎を合併した成人先天性心疾患の手術では、心内奇形に対する修復に加え、弁置換術などの同時手術を必要とすることが多く、治療に難渋することがある。今回、当院で感染性心内膜炎を合併した成人期未修復先天性心疾患の手術成績について検討した。【対象】1985年3月から2016年1月までに外科治療を行った感染性心内膜炎を合併した成人期未修復先天性心疾患の5例を対象とした。感染性心内膜炎の活動性は、活動期が3例、治癒期が2例であった。原因菌は、ブドウ球菌が2例、レンサ球菌が1例であり、2例は起炎菌不明であった。診断は、血液培養及び心臓超音波検査にて行った。【結果】手術時平均年齢は、42.6±25.3歳、男/女比は3/2であった。平均観察期間は、10.9±12.5年。原疾患は、心室中隔欠損が4例で、心房中隔欠損が1例であった。手術術式は心室中隔欠損症の4例では、心室中隔欠損孔閉鎖術に加え、大動脈弁置換2例三尖弁置換1例、バルサルバ動脈瘤手術を1例に施行した。心房中隔欠損例では心房中隔欠損孔閉鎖術に加え、僧帽弁置換を行った。手術死亡や術後脳合併症もなく全例が再発なく経過している。【結語】原疾患としては心室中隔欠損症が多かった。感染性心内膜炎を合併した成人期未修復先天性心疾患の外科治療は心奇形に伴う心内修復術に加え、種々の同時手術を必要とする場合が多いものの、その手術成績は良好であった。