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[P56-01] Eisenmenger症候群成人例多施設共同研究の進捗状況
キーワード:Eisenmenger、mortality、morbidity
【目的】2013年4月から開始したESMCSの登録期間も2年半が過ぎ、登録期限の2016年3月末が迫ってきているが、現在のESMCSの進捗状況を示し、今後の方針を示す。【方法】現在の登録数、登録施設、Primary endpoint等を調べた。【結果】2015年12月現在の登録数は67例(M24/F43)、登録施設は19施設であった。診断の内訳は、Post-tricuspid shunt 55例(VSD 33, PDA 6, AVSD 9, Complex lesions 7)Pre-tricuspid shunt 12 (ASD 9, AVSD 3)で、Down症は23例含まれていた。登録時のWHO-FCは、FG1;4 FC2; 41, FC3;22で、SPO2中央値86.5%(74-97%)であった。Primary endpointは11 例に認められた。その内訳は、死亡2例(突然死、肺がん)、肺移植1例、入院6 例(腹水、呼吸苦、呼吸器感染、下血、子宮内出血)、WHO-FC悪化2例であった。Cardiac deathまたは肺移植の32ヶ月回避率は89%、Primary eventの32ヶ月回避率は56%であった。また、BNP≧50pg/mlの群におけるPrimary endpoint回避率は、BNP<50pg/mlの群より有意に低かった。(log rank test p=0.01) 登録時既にDisease targeting therapy(DTT)が44例に施行されており、新たに開始されたものが2例で、Bosentanを開始したIAAcomplex症例が下腿浮腫のため中止した。生命予後改善を期待してDTTを追加した3例では、特に臨床的悪化を認めず、SPO2低下またはWHOFC悪化のためDTTを強化した5例では全例SPO2の改善を認めた。【考察】過去の報告と同様にBNP高値は予後不良因子で有り、DTTの早期介入が望まれる。また、目標登録数250例に達することが困難であることが予想され、登録期間の延長、さらなる登録施設の増加(アジア諸国を含む)を予定している。