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[P61-04] 3週間の発熱,頸部リンパ節腫脹,頸部リンパ節炎,皮疹の経過中に心エコー図検査で冠動脈瘤が発見された2ヵ月の乳児重症不全型川崎病症例
キーワード:川崎病、瘤、不全型
【背景】6ヶ月未満の不全型川崎病は、主要症状が3項目以下で診断が遅れて冠動脈瘤が合併することがある.【目的】今回我々は3週間の発熱,頸部リンパ節腫脹,頸部リンパ節炎,皮疹の経過中に心エコー図検査で冠動脈瘤が発見された2ヵ月の乳児重症不全型川崎病症例を経験したので報告する.【症例】症例は2ヶ月の男児で,38℃の発熱があり近医受診しWBC18700/ul, CRP2.2mg/dlのため,同日紹介入院となった.第3病日に右頸部に発赤と腫脹を伴うリンパ節炎を認めた.第5病日の心エコー図検査では冠動脈拡張病変,弁膜症は認めなかった.第1病日からCEZで治療したが第8病日でCRP11.7mg/dlと増加して解熱せず, CTX, VCM, PAPM/BP,IVIG150mg/kg/day×3回で加療し解熱した.しかし第17病日より再度発熱しWBC 30100/ul, CRP 17.6mg/dlと炎症反応も増加しており心エコー図検査で#5 2.2mm, #6 3.6mm, #11 2.5mm, #1-2 4.2mmと冠動脈拡張病変がありIVIG2g/kg,追加IVIG静注,アスピリン内服,ヘパリン持続静注,シクロスポリン持続静注(2.4mg/kg/day)を開始した.その後速やかに解熱し一度も再燃せず第70病日に終了した.冠動脈は右冠動脈が最大径5.8mmまで拡張して瘤となった.ワーファリンへ切り替えて外来経過観察中である.現在#5 1.7mm, #6 2.8mm, #11 1.3mm, RCA 4.2mmと退縮傾向である.【考察・結論】乳児の原因不明の発熱と炎症反応の持続の場合は常に川崎病を念頭に頻回の心エコー図検査を実施するべきである.6ヶ月未満の乳児へのシクロスポリン持続療法が著効した症例であった.