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[P62-05] Coronary sinus orifice atresia(CSOA)の2例
Keywords:Coronary sinus orifice atresia、Marshall vein、LSVC
【背景】Coronary sinus orifice atresia(CSOA)は稀な疾患であるが、その合併心奇形については孤発例も含め多種の報告例がみられる。CSOAにおいて、冠血流はLSVC(Marshall vein)からINV、またはThebesian veinを介して右房に流入する。その診断は難しく、術中所見や剖検での発見例もある。今回、異なる経過を辿ったCSOAの2例を経験したので報告する。【症例1】1歳男児、TAIIaに対し生後1か月時にLt BT shunt術を施行。術直後にRestrictive PFOのため緊急BASを要した。生後4か月時にASD狭小化のためASD creationを施行。その際CSは視認されたが、異常は指摘されなかった。1歳時、Glenn術前の心臓カテーテル検査でMarshall veinを造影したところ逆行性であり、CS開口部からの造影でCSOAと診断した。VV collateralとしてMarshall veinを塞栓すれば冠還流が障害され、そのままGlenn吻合を行えば冠静脈圧の上昇による心筋虚血が危惧された。このため、Glenn術時にCS開口部を開放した上でMarshall vein ligationを施行した。【症例2】5歳男児、D-TGAI. CA(1;LCx, 2;R). に対し術前に大動脈造影をしたが、CSOAの診断には至らなかった。日齢10にJatene手術(Lecompte)を施行したが、周術期の冠血流は問題なく順調な経過であった。術後5年目、遠隔期評価の冠動脈造影にてCS→LSVC→INVの血流を認め、CSOAの診断に至った。心筋虚血の兆候を認めず、経過観察を継続している。【考察】CSOAは特に単心室例においてはGlenn手術前に診断することが重要である。大動脈造影での後期像をよく観察することが重要である。