ポスターセッション（P63）
川崎病・冠動脈・血管3

[P63-02] Color Doppler Guiding を用いた冠動脈関連疾患に対する心エコースクリーニング

^○中村 常之¹, 秋田 千里¹, 荒木 幹太², 石丸 和彦² (1.金沢医科大学病院 小児循環器内科, 2.金沢医科大学病院 小児循環器外科)

Keywords:冠動脈、Color Doppler Guiding、スクリーニング

【背景】若年性突然死の原因における冠動脈関連疾患の占める割合は比較的多い。そのため、冠動脈関連疾患に対する早期診断は心事故を予防する上で重要である。今回、大動脈弁レベルでの大動脈短軸像で、Color Doppler （CD）Guidingを用いたスクリーニングは冠動脈関連疾患の早期診断として有用であると考えた。【目的】各冠動脈関連疾患に対するCD Guidingを用いた心エコースクリーニングの有用性を報告する。【方法】使用機器： Philips iE33。大動脈短軸像（大動脈弁レベル）をCDあり/なしのDual Imageで描出する。心室中隔方向（左冠動脈下行枝LAD）、僧帽弁輪方向（左冠動脈回旋枝LCX）、三尖弁輪方向（右冠動脈RCA）の３方向を意識しながらCDのVelocity Range (VR)およびGainを初期設定から変化させ、観察する。対象疾患：川崎病（多数）、冠動脈起始異常（４例）、左冠動脈肺動脈瘻（２例）、左冠動脈肺動脈起始症（１例）を冠動脈関連疾患として検討する。【結果】川崎病 (CD: VR 20cm/sec, Initial Gain)、CD Guidingを用いた左冠動脈主幹部、LAD、LCXの同定は容易であった。RCAの同定にはやや難があった。冠動脈起始異常 (CD: VR 20cm/sec, initial gain)、左冠動脈起始異常の同定は容易、RCA起始異常の同定はやや難があった。左冠動脈肺動脈瘻 (CD: VR 40cm/sec, low gain)、low gainによってbackground noise を抑えることで異常血流の同定が可能であった。左冠動脈肺動脈起始症 (CD: VR 60cm/sec, initial gain)、LAD、LCXの逆行性の血流がCD初期設定で判別可能で、診断も容易であった（生後1ヶ月乳児例）。【考察】CD Guidingは冠血流に依存するため、血流パターンが異なる左右冠動脈で同定能の違いが見られたと思われる。【結論】CD Guiding を用いたスクリーニングは小児の冠動脈関連疾患、特に左冠動脈関連疾患の早期診断として有用である。