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[P63-03] 各種先天性心疾患における心臓足首血管指数ー特に左心系閉塞性疾患においてー
Keywords:CAVI、先天性心疾患、大動脈縮窄・大動脈離断
【背景】先天性心疾患の内科的・外科的治療の向上により大多数の患者が成人まで達している。しかしながら術後遠隔期の問題の一つに大動脈の弾性低下があり、これと体心室機能や大動脈拡張などは密接に関連すると考えられる。多くの年少の先天性心疾患患者が手術を始めとする介入を必要とするため、潜在的な大動脈の弾性低下は小児でも起こっていると考えられる。血管機能評価には様々なモダリティーが存在するが、非侵襲的な血管機能評価として心臓足首血管指標(CAVI:Cardio-ankle vascular index)が成人領域では動脈硬化性疾患の経過観察や治療効果判定に盛んに利用されている。【目的】先天性心疾患患者でのCAVIについて調べること。特に大動脈に影響を及ぼしやすいとされる左室流出路閉塞性心疾患におけるCAVIの推移を調べる。【方法】当院で2007年以降に施行された20歳未満のCAVIについて後方視的に検討した。また複数回CAVIの測定を行った左室流出路閉塞性疾患患者に関して、介入との関連について調べた。【結果】期間中に130人の患者に対し述べ138回の測定が行われた。先天性心疾患の疾患群ごとの比較では、正常群に比して右室流出路閉塞性疾患でCAVIが低かったが、その他の群では有意差は見られなかった。一方左室流出路閉塞性疾患群で複数回CAVIを測定した患者は4人おり、2人は手術前後でCAVIは上昇、2人はバルーン拡張前後でCAVIは低下した。後者2人においてはトレッドミル検査における運動時血圧上昇が改善していた。【結論】大動脈拡張をきたす可能性のある疾患群でCAVIが高いという結論は得られなかった。しかし左室流出路閉塞性疾患において、大動脈弾性の改善がCAVIの低下という形で反映され経過観察の方法として有用である可能性がある。