18:00 〜 19:00
[P65-04] ペントラキシン3と小林スコア併用による川崎病難治例予測
キーワード:川崎病、初期治療不応例、ペントラキシン3
【背景】川崎病の心血管合併症を予防するには、できるだけ早期に炎症を終焉させることが大切である。そのためには、難治例を予測して初期治療を強化し、追加治療無く解熱にもち込めることが望ましい。
われわれの施設では、川崎病初期治療として、以前は免疫グロブリン単剤投与が基本であった。近年では小林スコアを参考に治療をおこなっているが、未だ追加治療を要する症例があり、より精度の高い基準が求められる。
【目的】われわれは以前から、川崎病における炎症マーカーとしてペントラキシン3(PTX3)の推移を追い、その有用性について検討してきた。本研究では、PTX3値を小林スコアと組み合わせることにより、さらに精度の高い基準が作れるかどうかについて検討した。
【方法】当院で急性期治療をおこなった川崎病のうち、初期治療にステロイドを併用していない時期の122例(初期治療反応例 102例、不応例 20例)を対象に、初期治療不応を予測するPTX3値のカットオフ値を求めた。さらに、その条件を小林スコアと組み合わせることによって、追加治療を必要とする症例をより有効に抽出できたかどうか、感度特異度を参考に評価した。
【結果】本症例群において、小林スコア5点以上という条件では、初期IVIG不応例の予測感度が80.0%、特異度が71.6%、PTX3 28ng/ml以上では予測感度が85.0%、特異度が80.4%であったのに対し、小林スコア5点以上かつPTX3値28ng/ml以上という条件では、感度が85.0%、特異度が88.2%と比較的良好な値が得られた。
【結論】
PTX3は小林スコアと組み合わせることにより、川崎病難治例を予測するマーカーとして活用可能であると考える。
われわれの施設では、川崎病初期治療として、以前は免疫グロブリン単剤投与が基本であった。近年では小林スコアを参考に治療をおこなっているが、未だ追加治療を要する症例があり、より精度の高い基準が求められる。
【目的】われわれは以前から、川崎病における炎症マーカーとしてペントラキシン3(PTX3)の推移を追い、その有用性について検討してきた。本研究では、PTX3値を小林スコアと組み合わせることにより、さらに精度の高い基準が作れるかどうかについて検討した。
【方法】当院で急性期治療をおこなった川崎病のうち、初期治療にステロイドを併用していない時期の122例(初期治療反応例 102例、不応例 20例)を対象に、初期治療不応を予測するPTX3値のカットオフ値を求めた。さらに、その条件を小林スコアと組み合わせることによって、追加治療を必要とする症例をより有効に抽出できたかどうか、感度特異度を参考に評価した。
【結果】本症例群において、小林スコア5点以上という条件では、初期IVIG不応例の予測感度が80.0%、特異度が71.6%、PTX3 28ng/ml以上では予測感度が85.0%、特異度が80.4%であったのに対し、小林スコア5点以上かつPTX3値28ng/ml以上という条件では、感度が85.0%、特異度が88.2%と比較的良好な値が得られた。
【結論】
PTX3は小林スコアと組み合わせることにより、川崎病難治例を予測するマーカーとして活用可能であると考える。