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[P65-05] Candida Albicans Water Soluble Fractionによるマウス川崎病血管炎モデルにおいてTumor Necrosis Factor Alphaは中心的役割を果たす
キーワード:川崎病モデルマウス、CAWS、TNF
【目的】川崎病の発症メカニズムとして自然免疫の異常が疑われている。また、自然免疫の異常により上昇する炎症性サイトカインの中でもTumor Necrosis Factor alpha(TNFa)は、その阻害薬が川崎病治療に応用されていることもあり、川崎病血管炎成立にあたって中心的役割を担っていると考えられる。我々はCandida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS) がTNF KOマウスにおいても血管炎をきたしうるか検証した。【方法】C57BL/6 TNFa KOマウスおよびC57BL/6 WildマウスにCAWSを連日5日間腹腔内注射し、血管炎を惹起させ、血管炎の程度を組織学的に評価した。血管炎の程度は炎症細胞の浸潤した面積を計測することで、定量的に評価した。また血清サイトカインをBioRadのBioPlex(Th17 6-Plex Panel (M60-00007NY))を用いて測定した。【成績】CAWS血管炎の程度はWildに比較してTNFa KO hetero、TNFa KO homoの順に有意に抑制されていた。(p<0.0002)血清における炎症性サイトカイン(IL-1b, IL-6, IL-10, TNFa)濃度もTNFa KOマウスにおいては有意に低値を呈していた。【結論】CAWSはTNFa KOマウスに血管炎を誘導できず、血清のサイトカイン上昇も抑制されていた。我々のこれまでの研究においてTNFa 受容体阻害剤であるEtanerceptもCAWS血管炎を抑制することから、TNFaはCAWS血管炎発症に中心的役割を担っていることが確認された。今後TNFパスウェイ活性化にどのような自然免疫シグナルが必要なのかを解明し、川崎病血管炎発症機序との関連性を解明していく予定である。