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[P66-01] 当院で施行された心臓CTにおける冠動脈起始の定量的評価
キーワード:冠動脈起始異常、心臓CT、院外心停止
【背景】本邦では学校心電図健診が小学校1年生,中学校1年生,高校1年生に義務付けられており,突然死の予測・予防により院外心停止症例の減少に寄与している.また,2005年から一般市民による自動体外式除細動器(AED)の使用が可能となり,救命される症例は更に増加している.一方,このような症例から院外心停止の原因が究明されるようになり,AED登場後の調査では冠動脈奇形が学校における経過観察のない院外心停止の原因の第一位であることが示された.したがって,冠動脈奇形に伴う心停止リスクの把握,および治療や管理についての検討は,子どもの突然死を予防するために極めて重要であると考えられる.【目的】当院で心臓CTを施行された症例について左冠動脈,右冠動脈の起始のパターンについて解析し,合併する疾患や症状を明らかにすることにより,冠動脈奇形に伴う心停止を予防するための方策を探る.【方法】当院で撮影された心臓CTにつき,左右冠動脈が大動脈のどの部位から起始するかを水平断画像で確認し,角度を記録する(身体の前の方向を0°として,それより右を正,左を負の角度として表示).それぞれの冠動脈がどの角度から起始することが多いか,どの部位から起始するものを起始異常と判断するか等について検討する.特に,右冠動脈が通常よりも左から起始するものに関しては,右冠動脈が大動脈と肺動脈に挟まれる形で走行することになるため,心停止のリスクが高いと考えられる.【結論】冠動脈起始異常は院外心停止の原因として占める割合が多く,診断すること,およびその後の管理が非常に重要である.しかし,現状の心臓健診では検出できないものであることも多く,その中からどのように冠動脈起始異常を拾い上げていくことができるかが今後の課題と考えられた.