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[P66-02] 急性期に冠動脈拡張病変を合併する川崎病における赤血球容積粒度分布幅(RDW:red cell distribution width)の臨床的意義
キーワード:川崎病、RDW、冠動脈拡張
【背景】近年、様々な疾患における長期予後の指標として赤血球容積粒度分布幅(RDW:red cell distribution width)が有用であることが報告されているが,RDWが川崎病の急性期冠動脈病変合併の指標として有用性を検討した報告は少ない.今回我々は急性期冠動脈病変合併の指標としてRDWが有用であるかを調査した.【方法】症例は2002年から2015年の14年の間に当科に入院した川崎病から17例を,急性期冠動脈病変合併症例7例 (DCAL群: Dilated Coronary artery lesions of acute phase)とnon-DCAL10例に分けてMann-Whitney検定を用いてRDW,IVIG不応例に対する血液学的検査の予測スコアの因子について統計学的検定をした.RDWは発熱から10日以内の最高値としてretrospective studyを行った.【結果】RDWはDCAL群とnon-DCAL群で有意な差はなかった (DCAL群 vs. non-DCAL群; 13.6 [12.6, 15.8] vs.13.7 [12.9, 14.5], p=0.828) (median [IQR]).血清Na値はDCAL群がnon-DCAL群と比べ有意に高値であった(DCAL群 vs. non-DCAL群; 131 [129, 136] vs. 136 [13, 137] mEq/L, p<0.038).【結語】RDWは川崎病の急性期冠動脈病変合併の指標とならず,血清Na値の低下のほうが有用な指標であった.