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[P66-05] MDCT検査が有用であった右冠動脈起始異常の3手術例
Keywords:冠動脈起始異常、冠動脈手術、MDCT
【背景】右冠動脈(RCA)起始異常(AORCA)は稀な先天性心奇形で、検査所見に乏しいが、運動などを契機に心筋梗塞や突然死などを合併する危険性がある。今回、我々は、運動時の胸痛や失神から診断され、MDCTが有用であった3症例を報告する。【症例1】15歳男児、運動時の失神を主訴に近医を受診され当院に紹介された。血液検査および運動負荷心電図、24時間心電図では異常がなく、心エコーでAORCAが疑われ、心筋血流SPECTで左室下壁の血流低下を認めた。MDCTでRCAが左冠動脈(LCA)と隣接して異常起始し壁内走行していた。同部位のunroofing施行し、術後4年間症状なく経過良好である。【症例2】15歳男児、運動時の胸痛を主訴に近医を受診され当院に紹介された。血液検査やおよび運動負荷心電図、24時間心電図、心筋血流SPECTでは異常は認めず、心エコーでAORCAが疑われた。MDCTでAORCAと壁内走行を確認した。同部位のunroofing施行し、術後2年間症状なく経過良好である。【症例3】13歳男児、運動時の胸痛を主訴に近医を受診され当院に紹介された。血液検査および運動負荷心電図、24時間心電図では異常がなく、心エコーでAORCAを疑われた。MDCTでRCAの左Valsalva洞起始と壁内走行を認めた。同部位のunroofing施行し、術後1年間症状なく経過良好である。【考案】冠動脈起始異常症例は、RCA起始部狭窄がある場合や、RCA壁内走行が長いほど症状を有すると考えられているが、多くの症例では症状が乏しく、見逃される症例も多い。しかし、対側Valsalva洞起始や壁内走行、大血管間走行は急性冠虚血から突然死のリスクが高く手術適応となり、高解像技術を有するモダイリティでの診断が重要である。【結語】3例ともMDCTによってAORCAとそれに伴う起始部狭窄および大動脈の壁内走行が確認できた。胸部症状を呈する小児では、冠動脈起始異常の存在も念頭に入れる必要がある。