18:00 〜 19:00
[P67-02] 小児循環器科医の社会活動 -「学校の先生方とともに考える、こどもの心臓病談話会」を開催して-
キーワード:学校教員、談話会、運動管理
【背景】近年種々の心疾患に対する内科的・外科的治療が長足の進歩を遂げ、家庭生活に戻り学校に通える心疾患患児が飛躍的に増えた。だがその病態や病状は極めて多様で、児の安全で有意義な学校生活を企図する学校教員には、個々の児への理解を深める必要に迫られ常に大きな戸惑いや不安が付きまとっていると思われる。一方我々医療者は「病状に関しては詳しいが、児の学校生活をあまり知らず、適切な生活指導に至らない」可能性がある。児の実生活を実り多きものにするため、児及び家族・教員・医療者が相互に情報交換し支えあうのが理想的だが、現状では教員と医療者との直接の接点は乏しい。【目的】小児循環器科医の社会活動の一環として、「学校の先生方とともに考える、こどもの心臓病談話会」を開催し、アンケートでの反応も含め、今後期待される効果・改善点等を検討する。【対象・方法】埼玉県内の小中学校・特別支援学校等の教員を対象に郵送・当科HPでの告知等で参加者を募った。会の前半では心不全概論・各疾患各論・学校管理指導表の扱い等につき講義形式でお伝えし、後半では患者本人・患者家族・学校教員の方々に実体験をお話し頂いた後パネルディスカッション「学校生活の中で患者・教員は何に戸惑うのか」にて総合討論を行った。最後にアンケートを施行し、各項目・全体に関し評価を頂いた。【結果・考按】県内全域から62名の参加者を得た。「病院と直接の繋がりを持てる催しで喜ばしい」「専門知識や患者さんの生の声を直接聞けてよかった」等の感想の一方、「範囲が広すぎて難しい」「時間が延長したので最後までいられなかった」「具体的なケースカンファをしてほしい」とのご意見も頂いた。今後は、疾患に関し焦点を絞って詳細に情報提示したり、実際の症例につきグループディスカッション等も取り入れるのが有効と考えられた。また必要に応じて年複数回の開催も視野に入れる必要があると思われた。