The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

その他1

ポスターセッション(P68)
その他1

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
横澤 正人(北海道立子ども総合医療・療育センター 循環器病センター)

P68-01~P68-07

6:00 PM - 7:00 PM

[P68-02] 被ばく低減を目的とした小児心臓カテーテルにおける当院での取り組み

佐々木 保1, 池田 健太郎2, 小林 富男2 (1.群馬県立小児医療センター 技術部放射線課, 2.群馬県立小児医療センター 循環器科)

Keywords:放射線被ばく、小児心臓カテーテル、散乱X線除去用グリッド

【背景・目的】放射線被ばくを伴う心臓カテーテル検査ではrisk-benefitを考慮し,国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告によるALARA(As Low As Reasonably Achievable)の原則に従い,合理的に達成できる限り低く放射線量をコントロールして検査・治療を実施しなければならない.さらに対象が小児の場合は放射線感受性が高く,生物学的余命が長いことからより一層の被ばく低減対策を必要とする.今回は被ばく低減を目的とし,ハード面(装置)に加えソフト面(人・施設)両面でのこれまでの当院の取り組みについて報告する.【方法】1)小児ゆえ実施可能な装置面での被ばく低減対策として散乱X線除去用グリッドの使い分けを実施.体重~10kg非装着,~30kgは特注品の低格子比3:1グリッド,30kg以上は装置付属の高格子比13:1グリッドとした.2)視野のインチアップによる被ばく増加を低減するため,当院の装置に搭載されているデジタルズーム機能の使用. 3)担当する診療放射線技師の資質向上の指標として該当業務の認定資格の取得.4)施設の被ばく低減の取り組みの客観性の指標として第3者機関による評価.これら4点に取り組んだ.【結果】グリッド使い分けにより30kgまでの児で当院比,透視・撮影線量ともIVR基準点で最大約50%減となった.さらにデジタルズーム機能の使用で撮影・透視線量ともさらに約15%減となった.認定資格として「日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師」を担当2名が取得し,その後の更なる取り組みの大きなきっかけとなった.施設認定として全国循環器画像研究会認定「被ばく低減推進施設認定」を取得した.【結論】対象が小さい小児ではグリッドの使い分けは被ばく低減効果が大きく,画質を医師と検証した上で積極的に取り組むべきと考える.実施可能な被ばく低減対策を行うことは小児専門施設としての責務であり.それを機能させ維持するためにも人的・施設も含め総合的に被ばく低減に取り組むことが重要と考える.