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[P69-03] 左肺動脈左腕頭動脈起始の早産児の一例
Keywords:hemitruncus、AOLPA、PTA
【はじめに】一側肺動脈大動脈起始(AOPA)はhemitruncusとも呼ばれる稀な疾患で、早産児の報告は非常に少ない。AORPAが広く知られているように、右肺動脈上行大動脈起始が最も多い。今回我々は、早産低出生体重児で、左肺動脈が左腕頭動脈より起始する遠位型の稀な1例を経験したので、文献的考察を含めて報告する。【症例】在胎33週1日、母体要因で緊急帝王切開にて出生。出生体重2023g、Apgar score7/8。呼吸障害あり、軽症RDSの診断でSiPAP管理されていた。日齢4の心エコーで左肺動脈と主肺動脈の連続性を確認できず、当院転院搬送。心エコーにて左肺動脈左腕頭動脈起始、心室中隔欠損、動脈管開存、右側大動脈弓、肺高血圧と診断。左肺動脈の径は3mmであった。急速に心不全が進行したため、日齢5に緊急でMPA banding+LPA banding+PDA ligation施行。日齢31にback transfer、日齢70で前医退院。日齢86で根治前の評価入院時に、左肺動脈近位部の高度狭窄を認めた。PVW造影にてLPA末梢の開存は良好であることを確認し、3か月でVSD closure+LPA plasty施行した。術直後よりCT上左肺動脈の高度狭窄あり、5か月時に左肺動脈起始部狭窄に対してPTA施行。1歳1か月時に再度PTA追加で施行し、PHなく左肺動脈の良好な発育を確認した。【考察】早産児のon-pump手術は合併症のリスクが高く、2期的手術を選択した。遠位型のhemitruncusでは特に発生学的背景より狭窄を来すことがあり、術後もclose observationを行う必要がある。