18:00 〜 19:00
[P70-01] Aberrant right subclavian arteryフラップにより積層ブリッジ型大動脈弓再建を施行したNorwood手術
キーワード:先天性心疾患、外科治療、Norwood手術
【緒言】 稀な形態とされるaberrant right subclavian artery (ARSCA)を伴うtype C-IAA complexに対して、様々な大動脈弓再建法が報告されている.今回、AS、SASを伴うtype C-IAAに対して、ARSCAフラップ、自己心膜、および主肺動脈中枢側断端の3層に積層させたブリッジ型に大動脈弓を再建したNorwood手術を施行したので報告する.
【症例】 生後1ヶ月 男児.IAA (type C)、ARSCA、AS、SAS、VSD、hypoplastic LVと診断.日齢10にbilateral PA bandingを先行.
【手術】 胸骨正中切開後、自己心膜を採取.右総頚動脈・下行大動脈からの2本送血にて人工心肺を確立.左総頚動脈、左鎖骨下動脈、下行大動脈を遮断し動脈管組織を広範に切除後、ARSCAを可及的末梢で切断.その中枢側を開いたARSCAフラップに自己心膜パッチを縫着し大動脈弓ブリッジを作成。次いで主肺動脈を切断、螺旋リング・カフ付きePTFEグラフト (DistafloTMφ6mm)のカフ部分と主肺動脈末梢側を吻合.次いで右総頚動脈起始部から上行大動脈基部まで縦切開を置き、同切開口に大動脈弓ブリッジの大弯側半周(ARSCAフラップ部分)のみ縫合.さらにブリッジ小弯側の自己心膜パッチ部分に切り込んだ後、主肺動脈中枢端をブリッジ小弯側(自己心膜パッチ部分)切開部の末梢側から上行大動脈基部まで吻合し、新大動脈弓を再建した。その後、Distafloグラフトの螺旋リング付き中枢端をRV内腔に挿入し4点固定.グラフト周囲の心外膜層に1針の巾着縫合を置いてグラフト挿入口を補強し、RV-PA中枢側吻合(Dunk変法)を終えた.
【結語】 本術式から1年半が経過した現在、BDGを終え軽快退院に至っている.なおBDG手術前の心臓カテーテル検査では新大動脈弓再建部に圧較差はなく、術中の大動脈形態も良好であった.AS/SAS/ARSCAを伴うIAA症例に対する大動脈弓再建において本術式は有用な選択肢になり得る.
【症例】 生後1ヶ月 男児.IAA (type C)、ARSCA、AS、SAS、VSD、hypoplastic LVと診断.日齢10にbilateral PA bandingを先行.
【手術】 胸骨正中切開後、自己心膜を採取.右総頚動脈・下行大動脈からの2本送血にて人工心肺を確立.左総頚動脈、左鎖骨下動脈、下行大動脈を遮断し動脈管組織を広範に切除後、ARSCAを可及的末梢で切断.その中枢側を開いたARSCAフラップに自己心膜パッチを縫着し大動脈弓ブリッジを作成。次いで主肺動脈を切断、螺旋リング・カフ付きePTFEグラフト (DistafloTMφ6mm)のカフ部分と主肺動脈末梢側を吻合.次いで右総頚動脈起始部から上行大動脈基部まで縦切開を置き、同切開口に大動脈弓ブリッジの大弯側半周(ARSCAフラップ部分)のみ縫合.さらにブリッジ小弯側の自己心膜パッチ部分に切り込んだ後、主肺動脈中枢端をブリッジ小弯側(自己心膜パッチ部分)切開部の末梢側から上行大動脈基部まで吻合し、新大動脈弓を再建した。その後、Distafloグラフトの螺旋リング付き中枢端をRV内腔に挿入し4点固定.グラフト周囲の心外膜層に1針の巾着縫合を置いてグラフト挿入口を補強し、RV-PA中枢側吻合(Dunk変法)を終えた.
【結語】 本術式から1年半が経過した現在、BDGを終え軽快退院に至っている.なおBDG手術前の心臓カテーテル検査では新大動脈弓再建部に圧較差はなく、術中の大動脈形態も良好であった.AS/SAS/ARSCAを伴うIAA症例に対する大動脈弓再建において本術式は有用な選択肢になり得る.