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[P70-05] グレン手術時にdouble-barrel Damus-Kaye-Stansel吻合を併施した手術の遠隔成績
Keywords:Damus-Kaye-Stansel、Fontan、systemic ventricular outflow tract obstruction
【目的】当院では段階的Fotan手術において、体心室流出路(SVOT)狭窄の懸念がある場合には、積極的にdouble-barrel法によるDamus-Kaye-Stansel(DKS)吻合を、グレン手術(BDG)時に行っている。今回double-barrel DKS+BDG手術の遠隔成績を検討した。【対象および方法】対象は、2001年から2014年の間に行ったdouble-barrel DKS+BDG手術18例で、Norwood型手術やDKS+Fontan手術、end-to-side DKS手術は除外した。subaortic conusや大動弁・弁下狭窄を有する症例8例、SVOTに心室間交通を介する症例7例、normal V-A relation 3例であった。手術時年齢平均 1.4歳(5ヶ月-4.5歳)、平均体重8.5kg(4.4-10.9kg)。全例でPA bandingが先行されており、arch repair先行例は2例であった。PA bandingからDKS+BDGまでの待機期間は平均15ヶ月(4ヶ月-4年)。半月弁(大動脈弁、肺動脈弁)逆流の程度をDKS前・後、Fontan前・後、遠隔期に心エコーにて評価した。【結果】手術死亡なし。人工心肺時間平均146分、大動脈遮断時間平均65分。同時手術は、肺動脈形成6例、房室弁形成1例、心房間交通拡大10例、両側BDG3例。術当日抜管は13例。遠隔期に消化管出血による死亡を1例認めた。Fontan到達は16例で、1例はFontan待機中。各時期における半月弁逆流の程度は大動脈弁:0.1±0.2~0.2±0.4~0.2±0.4~0.1±0.2~0.2±0.4 (p=0.58)、肺動脈弁: 0.2±0.5~0.5±0.5~0.4±0.6~0.2±0.3~0.5±0.8 (p=0.56)であり、経過中の、有意な増悪を認めなかった。【結論】double-barrel法によるDKS吻合は、遠隔期半月弁逆流の発生も少ないため、SVOT狭窄の懸念のある症例のみならず、両心室の血流の出口を確保する目的としても、積極的に適応を広げられる可能性がある。