6:00 PM - 7:00 PM
[P71-04] 新生児期にcone手術を施行したEbstein病の1例
Keywords:新生児Ebstein、二心室修復、cone
【背景】新生児Ebstein病に対し、二心室循環を保つ心内修復術を施行し長期予後が改善することが期待されている【症例提示】胎児期に三尖弁閉鎖不全症(TR)、肺動脈閉鎖症(PA)と診断。39週2日、2952 g、Apgar score 7点(1分値)、8点(5分値)で出生した。Ebstein病、PAと診断。TR severeで、右心系は拡大しTV annulus 22.3 mm(+11.0 SD)であった。TR peak velocityは2.47 m/sであった。胸部レントゲン写真で心陰影 はwall to wallであった。拡大した心臓に圧排され、肺のガス交換容積が乏しいため呼吸不全となり、人工呼吸器管理を要した。出生後、次第に右心系の拡大が進行し、左心系を圧排して尿量低下、頻脈を呈し、低拍出性心不全をきたした。日齢30(体重3117 g)にcone手術、右室流出路再建術(RVOTR)、心房中隔閉鎖術、動脈管結紮術、右室縫縮術を施行した。肺動脈弁は解剖学的に閉鎖しており、右室流出路はePTFE製の3弁付16 mmグラフト(Yamagishi conduit)を1尖にトリミングして再建した。術後は重度の肺動脈弁閉鎖不全症(PR)を認めたが、TRはmoderateに改善した。心胸郭比は53%に縮小した。人工呼吸器から離脱、低拍出性心不全の症状は消失したため日齢80に退院した。現在(2歳2か月)、心不全症状なく経過しているが、PR severeであり、RVOTRを再度施行する予定である。【考察】新生児Ebstein病に対する手術法の選択は一定の見解が得られていない。本症例では肺動脈弁が解剖学的に閉鎖しており、TR peak velocityから右室が順行性血流を駆出する機能を有すると判断した。そのため二心室循環を目指したcone手術を施行し、良好な経過をたどっている。