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[P71-06] 未成年(20歳未満)に対する大動脈弁置換の検討
Keywords:大動脈弁疾患、大動脈弁置換術、遠隔期成績
【背景】未成年の大動脈弁疾患に対する人工弁置換は、体格や出産の問題があり、AVRを施行する時期と弁の選択には十分な検討が必要である。【目的】当院の小児大動脈弁疾患に対するAVRの術後成績を検討した。【対象】20歳未満で大動脈弁に対して外科介入した初回手術23例(AVP:9例,Ross手術:5例,AVR:9例)の内、AVRを施行した9例およびAVP後にAVRを施行した1例を対象とした。男性6例、女性4例であった。手術時年齢は2歳4ヵ月-19歳(平均 13歳3ヵ月)であった。手術理由はAS:5例,AR:1例,IE:1例,Jatene術後のAS(大動脈弁二尖弁):1例,DORV・VSD閉鎖後の大動脈弁穿孔によるAR:1例,VSD・RCCHのvalsalva洞破裂:1例であった。【手術】AVPを先行した1例は、ASに対して9歳時に交連切開、16歳時にAVR(Nicks法,SJM regent 19mm)を施行した。AVRは挙児希望2例に生体弁(Mosaic 21mm,CEP 21mm)、他の症例は機械弁を用い、3例に弁輪拡大手術(Nicks法)を行った。術後観察期間は6年5ヵ月-40年7ヵ月(平均13年8ヵ月)であった。【結果】手術死亡は無く、遠隔死亡は1例、再介入は6例であった。AVR(CM 16mm,Bjork shiley 17mm,ATS AP 360 19mm)施行後の、成長に伴う人工弁狭窄3例(AVR(Konno法,SJM regent 23mm)、AVR(Konno法,CM 23mm)、AVR(Nicks法,CM 22mm))。AVR(ATS AP 360 20mm)施行後のPVL1例(Sorin Bicarbon 19mm)。遠隔死亡はAVP後、心筋肥大によるSASのためAVR(Konno法,CM 23mm)を施行したが、LOSで死亡した。挙児希望の2例中1例は生体弁劣化のため生体弁再置換(CEP Magna Ease 21mm)を施行した。いずれも妊娠を契機にAS進行したが一例は出産後改善、1例は出産1ヵ月であり外来で経過観察されている。【結語】小児期のAVRは、成長に応じて再手術が必要となる可能性がある。弁輪拡大手術により再手術を回避出来ると考えられる。挙児希望は生体弁置換を施行し、妊娠・出産を経る事が出来たが、妊娠契機のAS進行に注意を要する。