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[P72-04] 生後3カ月以内に手術介入を要したHeterotaxy症候群の治療成績
Keywords:Heterotaxy、単心室手術、二心室修復術
【目的】Heterotaxy症候群は多種の心合併症を有するため、多くの症例では段階手術を経て二心室あるいは単心室修復に到達する。今回、生後3ヵ月以内に姑息術を施行したHeterotaxy症候群の手術成績と修復術までの経緯を検討した。【方法】対象は、1990年8月から2016年6月までに出生したHeterotaxy症候群症例のうち、当院で生後3カ月以内に姑息術を施行した76例(Right isomerism(RI) 61例、Left isomerism(LI) 15例)。【結果】初回手術時(平均年齢は24.4±17.3日、体重3.1±0.8kg)。RIにおいて単心室手術戦略(SVR) 29例、二心室修復戦略(BVR) 0例、選択待機 32例で、術式はPAB 35例、TAPVC repair 18例 (うち+PAB 7例、SPS 2例、RV-PA shunt 1例)、SPS 4例、RV-PA shunt 2例、bil.PAB 1例、UF+PAB 1例。LIにおいてSVR 6例、BVR 5例、選択待機 4例で、術式はPAB 5例、SPS 5例、Norwood手術 3例、bil.PAB 1例、RV-PA shunt 1例。成績は、RI;ED 12例(19.7%;Hypoxia 6例、喀痰吸引を契機とするHigh flow shock 2例、不整脈 1例、LOS 1例、不明 2例)、LD 11例(18.0%)、LI;ED 1例(6.7%;High flow shock)、LD 3例(20%)。耐術したRI 38例(62.3%)に対する方針決定症例(平均1.3歳)は、SVR 34例、BVR 0例。選択待機は4例。Fontan手術到達は29例(SVRの56.9%、耐術例の93.5%)、Fontan手術待機 2例、BDG手術待機 1例、待機中死亡 2例(BDG術後)。耐術したLI 11例に対する方針決定症例(平均1.3歳)は、SVR 5例、BVR 6例。Fontan手術到達は2例(SVRの28.6%,耐術例の40%)、Fontan手術待機 2例、BDG手術待機 0例、待機中死亡 1例(BDG術後)。BVRは全例到達。【まとめ】RIでは姑息術耐術例の多くがFontan手術に到達しており、成績は満足のいくものであった。初回手術成績の向上によりさらなる成績向上が期待される。一方LIでは修復術到達までの綿密な検討が必要とされるものの、手術成績は概ね良好であった。