18:00 〜 19:00
[P74-01] 新生児期複雑心奇形根治術におけるGraham Nunn弁による右室流出路形成の治療成績
キーワード:右室流出路形成、外科治療、新生児
【目的】当院では右室流出路再建を要する新生児複雑心奇形に対してGraham Nunn弁を使用している。この治療成績を検討した。【方法】2010年以降に新生児期二心室修復に伴う右室流出路形成時Graham Nunn弁を使用した10例を対象とした。疾患は総動脈幹症6例と肺動脈欠損4例。手術時日齢は中央値11日(6-38日)、体重 2.95kg(2.1-3.6)であった。十二指腸閉鎖手術後と両心不全に対して両側肺動脈絞扼術を先行したものが2例あった。手術は右室切開下端から肺動脈分岐部後壁までの距離を半径(中央値23mm, 18-25mm)とする半円径の0.1mm ePTFEシートを弁として内挿し流出路パッチ8例、導管2例で再建した。【成績】全例耐術し、手術死亡はなし。遠隔期に心不全死1例。再手術は3例に対して施行。1例は心膜による流出路パッチ拡大と両側branch PSに対して、1例はtruncal valve regurgitationに対して、1例は気管支軟化症に対する右PA前方転位。それ以外の症例に対するRVOT再手術は現在のところなく、術後期間1.2年(0.8-3.8年)でエコーでのRVOT圧較差は中央値26.5mmHg(3-34mmHg), moderate以上のPRは1例であった。【結論】新生児期右室流出路再建を必要とする複雑心奇形においてGraham Nunn弁は耐術に対して非常に有用で中期遠隔期まで有効であった。