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[P74-04] 弁機能からみた当院の肺動脈弁置換中期成績
Keywords:PVR、弁機能、予後
【はじめに】生体弁PVRの長期予後は明らかにされていない。我々の経験とその中期成績を弁機能の観点から報告する。【対象】2000年4月~2015年12月に行った生体弁PVR66例(In situ(S):58例、In conduit(C):1例、Feestyle:7例 )を対象とした。手術時年齢は9ヵ月~31歳(中央値13.5)で、10歳未満は20例であった。原疾患はTOF:20、PA/VSD:29、Truncus:2、AVSD/TOF:2、TGA:7、cTGA:1、PS/PA:3、DORV:2であった。肺動脈弁位に対しては初回手術が6例、再手術以上は60例であった。先行手術はMVOP:49、RV-PA conduit:3、弁輪温存:6、その他:2で、先行手術時年齢は1ヵ月~17歳(中央値3.5)、先行手術からPVRまでの期間は6ヵ月~21年(中央値11.5)であった。使用生体弁はMosaic弁:16(S:16)、CEP弁37(S:36,C:1)、Freestyle弁:7、Mitroflow:2(S:2)、Epic supra:2(S:2)、ONX:2(S:2)であった。同時手術はPA plasty:29、PVO release:2、TVP:7、MVP:2、MVR/MVP:2、Ao repair/plication:2、AVR/AVP:2、Ds Ao replacement:1、VSD leak閉鎖:6、LVOTO release:1、PM implantation:1を行った。【結果】術後観察期間 1~180ヶ月(中央値:48)。手術死亡は1例(IE: rePVR)で、遠隔死亡は認めなかった。2度以上のPR、transvalvular pressure gradient(ΔPG)≧50mmHgのPSを人工弁機能不全とし、In situ:58例(手術時10歳未満:16例、10歳以上:42例)を検討した。10歳未満では弁機能不全は10例(62%, PS:5,PR:3,PSR:2)で、5例(31% PS:3,PR:1,PSR:1)でrePVRを行った。10歳以上では弁機能不全は7例(16% PS:2,PR:5)で、2例(4.7% PR:1,IE:1)でrePVRを行った。また、10歳未満でrePVRを要した群で優位に手術時肺高血圧(中央値:27mmHg)を認めた(p=0.04)。【結語】手術時年齢10歳未満の症例では早期に弁機能不全を呈し、再介入を必要とする可能性がある。また、手術時肺高血圧は早期の生体弁変性に寄与し、rePVRのリスク因子となる可能性が示唆された。