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[P76-01] 当院におけるグレン手術症例の変遷と課題
キーワード:右心バイパス、Glenn手術、Fontan手術
【緒言】近年機能的単心室に対する開心姑息術の救命率向上に伴い、より重症例が右心バイパス術の適応となりつつある。【対象】2001年から2012年の間に当院にて両方向性グレン手術を施行された機能的単心室108例を対象とし、2006年までのA期56例、2007年以降のB期52例とで比較検討した。【結果】HLHS(類縁疾患含む)はA期5例(9%)、B期10例(19%)。AspleniaはA期4例(7%)、B期6例(12%)。Glenn術前カテーテル検査では[Qp/Qs]A期:0.87±0.38, B期:0.89±0.35、[PAI]A期:210±85, B期:212±66、[Rp]A期:2.6±1.1, B期:2.0±1.0、[SVEF]A期:61±9, B期:58±10。Glenn施行時月齢は中央値でA期16ヶ月、B期5.5ヶ月。術後在院死亡は2例(共にB期、cardiomyopathy→肺動脈血栓、IAA, 低左心機能→縦隔洞炎)。Fontan待機中の死亡を5例(A期1、B期4)に認め、死因に関与するものとして高度脳機能障害2例、高度心機能低下2例。Glenn後3年時Fontan到達率はA期93%、B期77%。非到達の原因としてA期:PVO1, 水頭症1, 導管経路1。B期:心機能低下2, PVO1, 水頭症1, 高度脳機能障害2, 血小板減少1。Fontan術後在院死亡は2例(共にA期、asplenia→導管内血栓、Down症候群→LOS)【結語】当院においてもグレン適応症例は重症化の傾向にあり、それに伴いGlenn後のinterstage mortalityの増加、Fontan 困難例の増加に繋がっていた。Fontan困難の原因もより多様になりつつあるが、改変し得るものとして、神経学的後遺症の回避と心機能の保持が肝要である。