18:00 〜 19:00
[P76-04] one and a half ventricle repairが担う役割 ―なぜ選択されたのか-
キーワード:one and a half ventricle repair、右室低形成 、Fontan手術
【背景】Fontan手術の成績は向上しているが、長期遠隔期における多くの合併症も明らかとなってきた.反面one and a half ventricle repair(1+1/2修復術)の適応に明確な基準はなく、長期予後にもまだ不明な点が多い.【目的】one and a half ventricle repairが患者のQOL改善に寄与し得るのかを検討する.【方法】当院で1+1/2修復術を行った3症例における臨床経過、本術式が選択された理由、術前後での症状、検査所見の変化につき後方視的に検討した.【結果】疾患はPA.IVS、Ebstein奇形、C-ECD・TSの各1例.手術施行年齢/体重は1-17才/7.2-56kg.術後観察期間は0.5-3.5年.修復術前SpO2:68-96%、CTR:65-84(平均72)%、三尖弁輪径:44-87%N、右室Volume:50-127%N.1+1/2修復術直前の血行動態はBCPS+PS(BVP1, RVOT plasty 1)、ECD根治術後1で、手術適応は、壊死性腸炎による腸管切除、ストーマ管理下、3ヵ月2.8KgでBCPSが先行手術となったPA.IVS、医療介入なく3ヵ月時にSpO2 50%で来日した右室低形成を伴うEbstein奇形、二室型修復術後8年でSSS・AFをきたした多脾症のC-ECD・TSで、1+1/2修復完成時の最終術式はASD閉鎖+RVOT plasty, TVP 1, ASD閉鎖1, BCPSへのtake down +TVP 1で、不整脈治療として術中Cryoablation 2 、PM lead植込み1を同時に施行した.術後心臓カテーテル検査時のCVPは3-10(平均5.7)mmHg.最終受診時のSpO2:98-99%、CTR:52-63(平均57)%、BNP:8.3-19.1(14.1) pg/ml、NYHAは全例class1.リズムは洞調律が3、SSSの1は房室接合部リズムが混在するが、AFの再発はなく経過している.【考察】1+1/2修復術を施行した3例は、観察期間は短く、慎重な経過観察は必要だが、低いCVP、洞調律が維持され、チアノーゼ・心不全が改善していた【結論】Fontan手術の成績向上が著しい現在、本術式の採用判断は難しいが、良い適応患者に施行することで、高いQOLを維持する可能性が示唆された.